第9期介護保険料5600円に据え置き決定
介護保険法に基づいて3年ごとに見直される「介護保険事業計画・高齢者福祉計画」の第9期計画が完成しました。令和6年度からの介護保険料は、新型コロナウイルス感染症による経済状況の影響、近年の急激な物価高などを考慮し据え置きました。
多死社会や現役世代の急減
ポイントは予防の充実や医療連携、認知症「共生社会」
第9期計画のポイントは、令和7年に団塊の世代が全て75歳以上の後期高齢者となり、医療や介護の支援を必要とする人の増加が見込まれること。さらに、今後、死者が増える「多死社会」となり、「高齢者の急増」から「現役世代の急減」へ局面が変わることが予想されていることです。
4つの柱で健幸長寿のまちへ
これらを見据えながら、基本理念「誰もが健康で幸せに暮らせる『健幸長寿のまち掛川』」を掲げ、4つの基本目標の推進を図ります。
(1)自立支援、介護予防・重度化防止に向けた取り組みの深化
(2)医療・保健・福祉・介護・地域によるふくしあ連携の強化
(3)持続可能な介護サービスの充実と質の向上
(4)認知症「共生社会」の推進
この中でも、重点ポイントとしては介護予防事業の充実が必須と考えており、高齢者が歩いて通える場づくりや、介護予防の担い手の育成を挙げています。また、令和5年6月に成立した認知症基本法を受け、認知症施策の推進に力を入れていきます。
新パンフは紙とデジタルから選択
新しい介護保険ガイドブックは、6月下旬に完成予定です。これまでの一律全戸配布ではなく、必要な方が電子ブックと、従来の紙パンフレットの2種類から選択できるようにしました。紙パンフレットは市役所1階長寿推進課、大東・大須賀両支所、市内5か所の「ふくしあ」窓口で配付するほか、市ホームページからも印刷することができます。
介護給付費は3年で約300億円
保険料は据え置きの5600円
第9期計画では、市民が介護サービスを受け市が負担する7〜9割分の介護給付費を、3年間で約300億円と見込んでいます。財源は、国・県・市の負担金のほか、65歳以上の第1号被保険40〜64歳の第2号被保険者が支払う保険料から成り立っています。
市の介護保険料基準月額は、介護保険の基金を取り崩さなければ第8期から538円増となる6138円となる見込みでしたが、近年の物価高騰による経済状況から、高齢者の生活の安心を担保できるよう基金を取り崩し、第7期計画(平成29年度〜)から3期連続の5600円に据え置きました(県平均5810円)。
また、これまでの保険料は所得に応じて11段階の設定をしていましたが、国が9段階を13段階に多段階化する方針を示したことから、市は11段階から15段階に見直し、所得と負担能力に応じた、きめ細やかな保険料を設定しました。増設した分は非課税世帯の保険料上昇を軽減するための財源になります。
■令和6年度から令和8年度の65歳以上の方の介護保険料が決まりました
◇保険料額は7月中旬に発送
65歳以上の方の新しい保険料額は、7月ころ通知を発送します。
・公費による軽減措置は、第1段階(軽減割合0.17)、第2段階(軽減割合0.2)、第3段階(軽減割合0.005)が適用されており、その差額については、国1/2、静岡県と掛川市で1/4を負担しています。
・保険料年額の100円未満は切り捨てます。
問合せ:長寿推進課
保険料…【電話】21-1196
計画…【電話】21-1363
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