小笠医師会 その59
■注射や採血をしたときどのように止血をしていますか?
◇止血のコツを知っていますか
採血や注射の後で、どんなふうに押さえて血を止めていますか?ほとんどの場合は特に気にも留めずに針を抜いた所を数分間押さえるだけで問題なく血が止まります。しかし血が止まりにくい場合にはこれだけでは止血できず、押さえていた指を離した瞬間にワッと血が溢れ出てきたり、後で青あざが残ったりすることがあるので、ちょっとしたコツを覚えておくと良いかもしれません。
なお本稿では通常の注射や採血を行う静脈についてのコツを記載します。血管には静脈と動脈の二種類があり、押さえ方がやや異なるので、本稿では静脈についての記載をします。場合によっては動脈での採血を行う場合もあるので、採血時には確認をすることをお勧めします。
◇静脈血管の押さえ方のコツ
コツは二つあり、第一は上着の袖口で上腕(二の腕)を締めないようにすることです。注射や採血の際には袖をめくりあげて肘を出す場合が多いのですが、このときに細い袖口で太い上腕を締め上げてしまっていることがしばしばあります。止血の際には袖口を肘下まで下げて、上腕を圧迫していない状態にしてください。
第二のコツは、押さえ方です。押さえる場所はもちろん針を刺した所なのですが、その場所プラス『針を刺した所よりも1〜2センチくらい下側(腕の先側)の部分までの領域を一緒に押さえる』ことが大切です。これは逆に表現すると、『針を刺したところよりも上(腕の付け根側)の領域を押さえてはいけない』ということになるので注意してください。
◇押さえる強さ
さて、最後にもうひとつ、押さえる強さについてお話をします。押している場所が痛くなるくらい力いっぱい押さえるのはかえって逆効果で血が止まりにくくなります。押す強さの目安としては、『コンニャクや固ゆで卵を押して少しへこむ程度』の、あまり強くない押し方の方が血が止まりやすくなります。もちろん、押し方が弱すぎると血が出てきてしまうので注意が必要であり、この場合にはもう少し強く押す必要があります。また、押すのに最適な強さは体質や体格、注射・採血を行った部位によって多少違うので、注射や採血を何回も行う必要のある方は、ご自身の止血の際の押す強さ(弱さ)について一度お考えいただくことをお勧めします。
いかがでしょうか?これまでに注射や採血の後で血が止まりにくかった経験のある方、血液をサラサラにするようなお薬を飲んでいる方は今後の参考にしてみてください。
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