太平洋戦争終結から79年。戦争体験者が高齢化とともに減少していく中、平和の尊さや悲惨な戦争の記憶を次世代に語り継いでいくことを目的に、市は平成28年から広島市平和記念式典へ中学生を派遣しています(令和2〜4年度は新型コロナ感染拡大防止のため中止)。
■被爆地で当時の惨状を学ぶ
8月5日、広島市平和記念式典の前日、市からの派遣団が炎天下の広島に降り立ちました。派遣団は栄川中学校、桜が丘中学校、大浜中学校からそれぞれ代表2人の、計6人です。
汗がじんわりと額から滴り落ちる中、一行は原爆ドームへ。その壮絶な歴史と平和への願いが、建物の静かな姿から伝わってきました。
平和記念公園では、原爆で亡くなった子どもたちの霊を慰める「原爆の子の像」に、市民や中学生から託された4千羽の千羽鶴をささげました。その後に訪れた平和記念資料館では、被爆者の手記や遺品、被爆後の復興の様子が記録されていました。核兵器の恐ろしさや、被爆者の後遺症について知ることで、戦争の惨禍がいかに大きな犠牲をもたらしたかを痛感しました。
■参列者一同が平和への思いを胸に
8月6日、79回目の原爆の日を迎え、式典には、約5万人が参列。原爆の投下時刻の午前8時15分には参列者全員が黙とうをささげ、平和への思いを新たにしました。中学生らは、広島市長の平和宣言や子ども代表による平和への誓いを、真剣な眼差しで聞き入りました。
■平和について考える機会に
広島市中心部の上空600メートルで炸裂した原子力爆弾は、瞬時に無差別の大量破壊・大量殺りくを引き起こし、同時に放出された大量の放射線は、かろうじて生き残った人々に長期にわたる放射線被ばくの苦しみを強いました。
日本が世界で唯一の戦争被爆国となって79年が経過した今も、核兵器廃絶への動きはわずかな進展に限られ、未だ核の脅威はなくなっていないのが現状です。
みなさんもこの機会に、戦争と核のない平和について考えてみてはいかがでしょうか。
8月15日に掛川市生涯学習センターで行われた市戦没者追悼式・平和祈念式では、派遣団に参加した生徒が参列者の前で感想文を読み上げました。令和の時代を生きる中学生たちは現地での2日間で何を学んだのでしょうか。感想文は、市ホームページでご確認いただけます。
■式典へ参加する中学生の思い
出発前にインタビュー
◇大浜中学校
中嶋 梨乃さん
戦争はやってはいけないことだと思います。私が思う平和は、当たり前な日常が続いていて、自分の気持ちを自由に伝えられることです。戦争のない平和な世界であってほしいです。
◇桜が丘中学校
早川 尚吾さん
戦争がない今の平和が当たり前すぎて、あまり平和について考えたことはありませんでした。平和記念資料館では、自分がその場にいたらどうなってしまうのか考えたいです。
◇大浜中学校
鈴木 伸さん
授業で戦争の悲惨さを学び、二度と起こしてはいけないことだと思っています。戦争や平和について改めて学び、学校の生徒や掛川市の方に伝えられるようにしたいです。
◇栄川中学校
森下 真緒さん
ニュースで戦争を見たとき、平和について考えることがありました。広島では、自分が思う平和を深めたいです。千羽鶴は、全校生徒で折りました。みんなの思いを広島へ届けたいです。
◇栄川中学校
竹嶋 みのりさん
戦争は多くの犠牲者が出てしまう、絶対にあってはならないことだと思います。この機会をとおして、自分の目でしっかり見て、戦争について知り、考えたいです。
◇桜が丘中学校
山﨑 稜央さん
世界中で戦争や対立に耐えている人がいます。戦争は、悲しいし、苦しいだけだと思います。広島で多くのことを学び、掛川、日本の平和について考える機会にしたいです。
問合せ:企画政策課
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