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民間広報協力員特集 八丁池の不思議(2)

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静岡県河津町

■Chapter 02 八丁池のアレコレ
ハイキングコースとして親しまれる「八丁池」には、さまざまな言い伝えや、エピソードがあります。今回、民間広報協力員が八丁池について調査しました!
みなさんはいくつ知っていましたか?

▽01 若者が集う社交場
民間広報協力員 福司 美希
八丁池は天城縦走路の途中にあり、ハイカーの憩いの場所でした。昭和37年には「八丁池荘」という山小屋もあったそうです。夏は手漕ぎのボートの貸出があり、キャンパーも多く訪れていました。冬には湖面が厚く凍結するので、天然のスケートリンクとしてにぎわっていました。昭和53年に山小屋は解体されましたが、それまで八丁池は遊戯場として魅力的な場所であり、町内外からたくさんの人が訪れるスポットでした。中には、家から2時間以上かけ、スケートをした人もおり、八丁池の魅力が伝わります。

▽02 守るべき価値
民間広報協力員 相羽 勇仁
八丁池は国立公園法という法律の中の、なんと最高ランクの特別保護地区に該当するという一面を持ちます。八丁池の自然を守るために、指定された場所は1枚の落ち葉でも持ち帰る事はできません。ブナの原生林や、場所によっては天然記念物にされている、モリアオガエルという日本固有のカエルの産卵地としても知られており、改めて八丁池の自然の貴重さが伺えます。

▽03 幻の弁財天と水神様
民間広報協力員 土屋 龍聖
みなさんは八丁池の石造を知っていますか?実は東側の湖畔に水神様の石造があります。琵琶を持った女性の像で体の周りにはヘビ(竜)が絡まっている変わった見た目をしています。この像の正体は弁財天で水の神様です。金運アップや商売繁盛のみならず交通安全や長寿といった様々なご利益があるといわれており、幅広いご利益を授かれる万能な神様です。八丁池は明治時代、狩猟場として上流社会の名士や将軍(東郷平八郎など)が訪れ、狩猟を楽しんでいたそうです。その際の鳥獣供養の意を込めて建立されました。また、対岸にも水神様が存在します。水位が高いとボートを使わないと見られないため「幻の弁財天」と呼ばれています。

▽04 雨を降らす魔法の池
民間広報協力員 相羽 勇仁
古くから行われていた八丁池の雨乞いについて興味が湧き、実際に雨乞いを行なった山田豊さん=上佐ケ野=にお話を聞くことができました。平成14年の夏、バガテル公園に勤務されていた山田さん達は、バラの深刻な水不足に苦心していました。日照り続きで貯水槽は空、近くの小川も枯れかけ、いよいよ水が無い。そんな折、八丁池の雨乞いの話題があがり、やれることはやってみよう!と、すがる思いで八丁池へ。池のほとりの水神様に御神酒をし、周囲にある木の枝で池を掻き回したそうです。雨乞いから1週間、雨は降らず2回目の雨乞いへ向かいました。するとその3日後、待望の雨が。更にその後は定期的に雨が降り、その年は何とか凌げたそうです。「あの雨には助けられた。雨乞いのおかげかもしれない」と山田さんは語ります。僕も今後雨に降ってほしい時が来たらやってみようかなと思いました。

▽05 雨水を分かつ分水嶺
民間広報協力員 土屋 龍聖
天城山は豊富な自然があり、いつ訪れても素晴らしい魅力を提供してくれます。加えて、自然環境においても重要な役割を担っています。天城山は「分水嶺(ぶんすいれい)」とよばれる特徴を持っており、天城山を境に雨水が河津川に流れるか狩野川に流れるかの基準の場所と言われています。青スズ台に向かう途中で、その基準となる箇所を見ることが出来ます。私たちの生活にも大きく関わる大切な存在です。

▽06 変化する八丁池の住人
民間広報協力員 福司 美希
ブナの原生林だけでなく八丁池周辺にはさまざまな植物が生息しています。春にはマメザクラ、5月にはトウゴクミツバツツジ、秋の紅葉の時期はブナやカエデ類が色づきます。八丁池は青スズの池と呼ばれるほど、かつてはスズ竹という直径1cmほどの細い竹が生えていました。このスズ竹は釣り竿や、かごに使われるなど私たちの生活にも密着した存在でした。現在は、シカなどの食害で竹はほとんど生えていません。また、ブナの実が落ちて芽を出してもすぐにシカなどに食べられてしまい、なかなか成長が促されません。試験的に、シカなどの食害を調査するために、フェンスで一部を囲ったところ、竹や実から芽を出した木が元気に成長しています。フェンスの中で1メートル程までに成長したカエデの仲間を見た時には感動しました。

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