日本一高い富士山を望み、日本一深い駿河湾に抱かれる沼津。沼津の自然というと、海や山をイメージすることが多いのかもしれません。しかしながら、海や山だけでなく、私たちの身近なところではいくつもの川が流れています。
川幅の広い大きな河川であっても、地域を流れる小さな川であっても、沼津に暮らす人であれば、自宅や勤務先、通学する学校の近くに川が流れていないということは珍しいのではないでしょうか。
7月は河川愛護月間です。河川愛護月間は、身近な自然空間である河川への関心の高まりに応えるため、地域に暮らす人たちや市民団体の皆さんと、関係する行政機関等が手を取り合って、流域全体の良好な河川環境の保全や再生への取組を積極的に推進し、河川愛護意識を醸成することを目的としています。この取組はまさに川と暮らす私たち沼津市民にぴったりといえそうです。
触れてみると冷たくて気持ちいい、ゆったりと流れる水面を眺めていると気が安らぐ。
そんな沼津の川と一緒に、心地よく暮らしていきましょう。
■沼津のシンボル、一級河川狩野川。
伊豆の天城を源流に、駿河湾に向けて流れる狩野川は全長約46キロの大型河川。まちなかを悠々と流れ、川に架かる橋や河川敷を散歩する人たち、シーズンになると川面を行く渡し船などの様々なコンテンツを含めた景色は、沼津の日常を映したシンボルと言ってもいいのではないでしょうか。
そんな沼津のシンボルである狩野川が最も盛り上がるのは、例年7月最終の土・日曜日に開催される「沼津夏まつり・狩野川花火大会」。今年も7月27日、28日の開催が決定しています。広報ぬまづ7月15日号と同時に夏まつりのパンフレットも配布しますので、じっくり目を通してから今年も狩野川にあがる花火を楽しみに待ちましょう。
狩野川周辺では、近ごろアーバンな雰囲気も垣間見え、リバービューを活かしたオープンカフェやクラフトジンを楽しめるお店が並びます。さらに、あゆみ橋近くの右岸階段堤「かのがわ風のテラス」では定期的にマーケットが開催されるなど、まちのにぎわいに彩りをプラスしています。
川岸には散策路やアンダーパス(橋の下をくぐる道)が整備され、今では香貫大橋から河口まで信号等に遮られることなくスムーズに通行できるようになりました。また、夜間には御成橋をはじめ歩行者道がライトアップされ、安全で美しい河川空間を創り出しています。
その利便性から通勤や通学でアンダーパスを走行する自転車も多く見られるほか、ウォーキングやジョギング、サイクリングを楽しむ人もいます。歩行者も自転車も互いのことを思いやり、快適で安全に利用しましょう。
沼津を代表する河川のひとつである狩野川は、私たちの日常とともに静かに流れながら、ときに非日常を楽しむための雄大なステージとしての包容力も備えています。
※沼津夏まつり・狩野川花火大会の詳細は、沼津観光ポータルをご覧ください。
【URL】https://numazukanko.jp/
○河川愛護モニターに聞きました!
狩野川流域では、河口から三園橋、三園橋から日守大橋(函南町)など4つの区間で、「狩野川河川愛護モニター」が、日々の暮らしのなかで気づいた川の様子や水生生物の生息状況、川に対する想いなどを発信しています。沼津河川国道事務所のホームページには、モニターから寄せられた狩野川の様子がレポートとして掲載されています。
モニターを務めた経験のある川口正典さんは「我入道に生まれて、毎日狩野川を見てきたし、川に育ててもらったから少しでも恩返しできればと思ってね。川岸に立つと景色もいいし通り抜ける風も気持ちがいい。こんなにいいところ他にはないんじゃないかな」と笑います。続けて「草刈りや掃除をしてくれている人もいるんです。昔と比べるとごみも少なくなってきた。たくさんの人が川を守りたいって気持ちを持ち続けてくれると川も喜ぶでしょうね」と教えてくれました。
美しい川を後世に残していくため、7月の河川愛護月間を機に、皆さんも身近な川のことをもっとよく知り、もっと愛してみませんか。
モニターのレポートは、本紙またはPDF版掲載の二次元コードよりご覧ください。
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