■第2回 民具
近年、人口減少や生活様式の変化などを背景に、地域の貴重な文化財や祭りなどが失われつつあります。市では、有形・無形の文化財をまちづくりに生かし、地域社会総がかりで文化財を継承していく一環として、文化財保存活用地域計画を作成します。6人の文化財保護審議委員が、身近な文化財を紹介します。
◆生活様式を伝える道具
「機械化、近代化された現在、私達(たち)は時間に追われ、なすべき仕事に追われすぎて物に愛着をもちにくくなってきているのではないだろうか。…駆け抜けていく時流の中で、私達はつい先頃まで使っていた道具の用途すら、すでにわからなくなってしまっている(『新居町の民具平成7年・県立新居高校社会研究部』冒頭より)」。湖西市には養蚕(ようさん)、製糸、漁具をはじめとする種々の生活道具が残されています。昔、湖西地域では盛んに畳表が作られ、その際の琉球(りゅうきゅう)(畳表を織るための琉球イ草のこと。)を割く器械や畳織機、豊田佐吉が考案した織機などはその一例です。平成15年、住民有志により「湖西市歴史民具保存研究会」が立ち上げられ、その後民具の分類や収集が始まり、『湖西の文化第32号』に「忘れられた民具」として記事がまとめられました。民具は、市の民具倉庫に保管されています。しかし、民具類はかさばるため、どうしても収蔵には限度があり、失われていく民具が多くあります。それらのごく一部が民具倉庫に残されているというのが現状です。
◆史料を処分する前にご相談を
皆さんのご家庭に所蔵している史料はありませんか?春秋には風通しや防虫剤を入れかえるのも良いでしょう。虫食いや保存場所の悩み、家の建て替え、引っ越しなどで保存にお困りの人は市の担当課へご相談ください。墨やペンで書かれた古い文書、刷り物、古写真、絵葉書、工芸品など、有形無形に限らず文化財は湖西の歴史などを知る上でかけがえのないもので、後世にまで大切に保存し、活用したいものです。
(牧野 茂)
市内の文化財を紹介した冊子は市ウェブサイトで紹介しています。
問い合わせ先:文化観光課
【電話】053‒576‒1140
【FAX】053‒576‒4876
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