■第3回 動植物
近年、人口減少や生活様式の変化などを背景に、地域の貴重な文化財や祭りなどが失われつつあります。市では、有形・無形の文化財をまちづくりに生かし、地域社会総がかりで文化財を継承していく一環として、文化財保存活用地域計画を作成します。6人の文化財保護審議委員が、身近な文化財を紹介します。
【人と自然】
湖西市は、太平洋・浜名湖・湖西連峰に囲まれていて、それぞれの環境にはさまざまな動植物が生育しています。海岸ではクロマツが林をつくり、高い山の岩場には花のきれいなミツバツツジが生育しています。身近にも、桜並木の下の草原にノアザミやツリガネニンジンなど日本在来の野花が咲く所があります。このような場所にはメジロやシジュウカラなどの野鳥やさまざまなチョウが集まり、人々の目をさらに楽しませてくれます。
【人の手で自然を守る】
このように多様な動植物が生育する湖西市の環境ですが、実は数十年もしくは数百年以上前から変わらずに存在しています。
これらの自然環境が長い間変わらずに存在していることには、そこに古くから生活する人間の活動が密接に関わっています。例えば、マツの落葉かきがマツを元気に保ち、草地や田畑の草刈りが野花を守ってきたといいます。決して「ほったらかし」で維持されてきたわけではありません。現在の生活では落葉かきや草刈りをする機会が減ってきていますが、農家やボランティアの人々が変わらずに草刈りや掃除など、それぞれの環境に適した作業を定期的に行ってくれています。そのおかげで残されてきた植物や景観などの一部が天然記念物や史跡などの文化財に指定されています。
これから山や海、公園に行くときでも、影ながらに維持活動をしてくれている人々に感謝するとともに、動植物を含めた自然環境に興味を持っていただければ幸いです。
(小林浩二)
市内の文化財を紹介した冊子は市ウェブサイトで紹介しています。詳しくはこちら
※二次元コードは本紙15ページをご覧下さい
問い合わせ先:文化観光課
【電話】053‒576‒1140
【FAX】053‒576‒4876
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