地域に密着した医療の提供を目指す湖西病院では、さまざまな職員が使命感を持って現場と向き合い続けています。湖西病院で活躍する二人の医師に、日々のやりがいや診療の中での思いについて伺いました。
[湖西市出身]
◆〈麻酔科〉吉田 香織 医師
▽湖西病院に赴任されたきっかけを教えてください。
湖西病院にも手術室があり、外科系の先生方の手術がありますが、この数年麻酔科の常勤医がいませんでした。手術の際に患者さんの全身管理をするのは、術後の患者さんの状態にも大きく影響するためとても大切です。いろいろな病院でたくさんの症例を経験して、それを地元の病院で生かしていきたいと思いました。
▽麻酔科医を志した理由を教えてください。
全身状態を把握して、全身管理する、特に気道確保や呼吸管理をするところに興味を持ちました。患者さんの状態、手術の内容に合わせて麻酔をする。そんなさじ加減が重要なところも興味を持ったところです。
▽ペインクリニックではどのような取り組みをしていますか。
「痛み」は身体の異常事態を教えてくれる重要な信号ですが、患者さん本人にしか分からない不快な感情を伴うものであり、痛みが続くと生活の質が低下します。少しでも早く痛みを和らげることが大切で、ペインクリニックではお薬や注射などの方法で痛みを和らげ日常生活をしやすくする工夫をしています。
▽日々の診療で心掛けていることを教えてください。
切迫する状況でも冷静に対応すること、患者さんともスタッフともコミュニケーションを大切にすること、知識をアップデートしていくことを心掛けています。
▽吉田先生が思う湖西の「いいところ」を教えてください。
海、山、湖があり、自然の風景に癒やされます。湖西は生まれ育った場所なので、いろいろな場所や久しぶりにお会いできる人たちがいて懐かしくうれしく感じます。
▽湖西病院の設備や環境について感じていることを教えてください。
スタッフのみなさんが丁寧で優しくて働き者です。手術室は3部屋あり、優秀なスタッフがそろっていていつも支えられています。玄関前には季節ごとに素敵な花が咲いていて素敵だなと思います。受付ホールには季節に応じて七夕飾りやクリスマス飾りなどあり、ほほ笑ましく感じます。
▽市民の皆さんへ
そうならない方が良いですが、手術を必要とする際は身体が元気な状態で手術を進行できるよう、しっかり管理していきます。
よくならない痛みが続くときにはペインクリニックにご相談ください。
[制度を活用して湖西市に]
◆〈糖尿病・内分泌内科〉山本 俊介 医師
▽内科医を志した理由を教えてください。
私は民間企業に5年間勤務した後に医学部に入りました。会社員として仕事に励む間は生活習慣も荒れて、体重増加・コレステロール上昇などいわゆる生活習慣病に片足を踏み入れていました。仕事と健康な生活習慣を両立することはなかなか難しいことを肌で実感したため、こうした経験を還元できるよう生活習慣病を取り扱うことの多い内科医を目指しました。
▽お仕事を辞めて医師を目指すことに不安はありませんでしたか。
私立医学部に編入したため、学費が非常に高額で、支払いに大いに不安がありました。このため奨学金を調べていたところ、湖西市の医学修学資金制度を見つけました。私は浜松市出身で、親近感のある土地柄だったので、すぐに申請しました。医学教育では学費以外に参考書や実習などに多額の費用がかかることもあり、金銭面で憂いなく勉学に励むことができたのは、この制度のおかげと今でも感謝しています。
▽日々の診療で心掛けていることを教えてください。
ゆっくり、大きな声で、やさしい言葉で語りかけることを常に心がけています。もちろん患者さんの話にもゆっくり耳を傾けることも心がけていますが、外来ではなかなか時間がとれず、今後の課題だと思っています。
▽医師としてのやりがいを感じる瞬間を教えてください。
内科では糖尿病の治療に当たることが多いのですが、一番の基本は食事療法と運動療法の徹底です。食事・運動療法の知識を身に付けることは一生涯の財産となります。こちらのアドバイスや栄養士の栄養指導で血糖値を改善してもらえると、糖尿病の治療という枠を超えて、健康管理そのものに役立てた実感を得ることができます。
▽市民の皆さんへメッセージをお願いします。
湖西病院は非常にコンパクトで、近隣の大規模病院のように先進的な治療ができる病院ではありません。それでもできる限り、患者さんのために治療していこうとスタッフ一同考えています。
必要に応じて大規模病院へ紹介する体制も整っているので、市民の皆さんはどのような症状であっても病気が疑われたら、一度は湖西病院にお越しいただければと思います。
▽医師を目指している人へ
湖西市には他の自治体のものと比べても好条件の資金貸与制度があります。もし、金銭面の不安で医学への道を諦めようとしている人がいれば、ぜひこのような制度の活用を考えてみてほしいです。
《注目》湖西市の医学修学資金貸与制度
将来、湖西病院に医師として勤務しようとする人に対して修学資金を貸与する制度です。
対象:
(1)湖西病院に正規職員の医師として勤務しようとする意思を有すること。
(2)成績優秀にして、かつ、心身健全であること。
(3)同種の修学資金の貸与を他から受けていない、または受ける予定がないこと。
修学資金の額:
貸与期間:在学期間中(最大6年)
返済:湖西病院での在職期間に応じて返済の免除あり。
問い合わせ先:湖西病院管理課
【電話】053–576–1231
資金貸与に関するご相談は随時受け付けています。
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