■熱海とレモンの未来と可能性
〈注目!〉
熱海高校だけでなく、最近はさまざまな事業者がレモンを使った商品も開発していますし、また5ページで生産量の課題の記述がありましたが、レモン栽培を検討する新規就農希望者も増えているそうです。
◆農地法の改正と農業の可能性
令和5年農地法の改正により、これまで農地を取得する際に設定されていた土地の下限面積(千平方メートル)が撤廃され、小さい面積の農地を取得することができるようになりました。
これにより、高齢化などによる耕作放棄地の拡大に歯止めをかけ、多様な担い手の確保と新しい就農の在り方に期待が寄せられています。
市は地形的に傾斜地の農地が多く、また、兼業での農業に関する問い合わせが多いため、今回の農地法改正により、新規就農者への幅が広がりました。
現在、農業形態も多様化しており、兼業農家での新規参入や、農作物を加工・販売し、付加価値を高めることで、所得向上や雇用の確保を目指す6次産業化などさまざまです。
農業委員会では、新規就農希望者や現在農業を行っている人の農地の取得や賃貸借についての相談を受け付けています。
熱海高校のプロジェクトでは、熱海産レモンの生産性向上が課題の一つです。
レモン栽培に興味のある人は、ぜひ挑戦してみてはいかがですか。
◆家庭菜園でもレモンを楽しむ
「農業」の記載が続きましたが、農地以外の住宅の庭先で楽しむ家庭菜園でもレモンの栽培を楽しむことは可能で、レモンの木は観賞用のシンボルツリーとしても人気があります。
レモンの花は年に何回も開花する四季咲き性の特性があり、花を楽しめる期間が長いだけでなく、「自家結実性」と呼ばれる、自身の花粉で受粉して実をつける特性のある植物でもあり、庭先の1本でもレモンの果実を楽しめる植物です。
◆熱海とレモンの未来
「レモン発祥のまち」といわれた時に、まだ熱海のまちを想像する人は多くはないかもしれません。
しかし、熱海とレモンの歴史は明確に文献に残されているものであり、ポッカサッポロフードandビバレッジ株式会社のWebサイトにおいても、熱海がレモンの発祥の地であるという記事が掲載されています。(2023年12月時点)
そして、そのレモンの栽培やレモンを活用した商品開発も、今まで何も行っていなかった訳ではなく、熱海高校の取り組みや地域の事業者の企業努力と商品開発によって、さまざまな形で熱海とレモンの関係は紡がれています。
近年は観光の復調により、新しいお土産物や飲食店のメニュー開発も進んでおり、その中にはレモンを使った商品も多く見られるようになってきていますし、新規就農者の中でレモン栽培に関心を持つ人も増えているそうです。
今はまだ「発祥」というイメージはないかもしれませんが、これらの取り組みが続き、皆さんのレモンへの関心も高まれば、今植樹されているレモンの果実が取れ始める3〜5年後には、「熱海といえば温泉とレモン」といわれる日が来るかもしれません。
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