市では、ウイルス感染等を起因とする病気から市民の皆さんの健康を守るため、各種予防接種を実施しています。
本特集では、行政機関が実施している予防接種の中でも特に「今」、注目してほしい2つの予防接種を中心に紹介します。
■12~27歳の女性の皆さんへ~HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)
子宮頸がんの原因は、HPV(ヒトパピローマウイルス)への感染です。
HPVは1度でも性的接触の経験があれば感染する可能性があり、“一生に一度は感染する”と言われています。感染しても、ほとんどの人でウイルスが自然に消えますが、がん化してしまう恐れもあります。子宮頸がんは、HPVワクチンの接種により予防することができます。
◇対象者は約9万円のワクチンが無料!予約はお早めに
HPVワクチンは、小学6年生から高校1年生の年代の女性は無料で接種できます(定期接種)。
また、令和7年3月31日までは、平成9年4月2日~平成20年4月1日生まれの女性も無料で接種できます(HPVワクチンの積極的勧奨の差し控えにより定期接種を逃した方に向けたキャッチアップ接種)。
HPVワクチンは2~3回の接種が必要です。初回接種から接種完了まで約6か月かかるため、キャッチアップ接種の対象者が無料で接種を受けるためには、9月末までに1回目の接種を済ませる必要があります。
申込み:対象の医療機関に直接お申し込みください。
※接種の際は、予診票をお持ちください。定期接種・キャッチアップ接種の対象者には予診票を送付済みです(小学6年生には令和7年3月末に送付予定)。お手元にない場合は、市ホームページの申込フォームからご請求ください。
◇予防接種+検診でさらに安心!
子宮頸がんの予防には、定期的に子宮頸がん検診を受診することも大切です。検診を受診することで、がんの早期発見・治療につながります。
市で実施している子宮頸がん検診は20歳以上の方が対象で、1年に1回受診することができます。通常、6,000円以上かかる自己負担額が、市で実施している検診の場合は1,300円で済みます。ご希望の方は、保健予防課検診指導係までご連絡ください。
【電話】42-7275
Q:HPVワクチンの接種を検討していますが、過去に重篤な副反応について大きく報道されたため、少し不安に感じています。HPVワクチンは安全でしょうか?
A:国の専門家部会にて、「安全性について特段の懸念が認められないこと」「接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ること」が確認されています。
厚生労働省のリーフレットによると、接種後に重篤な副反応があったと報告されたのは、接種者1万人あたり約3~5人。一方、子宮頸がんの患者数は人口1万人あたり132人、子宮頸がんで亡くなる人は1万人あたり34人です。
※多くの方に発生する副反応として、接種部位の痛みや腫れ、赤みなどがあります。
■46~62歳の男性の皆さんへ~風しん抗体検査・ワクチン
風しんは、風しんウイルスによって引き起こされる感染症です。感染者からの飛沫感染により広がります。感染すると、発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの症状が現れ、成人がかかると症状が重くなることがあります。また、妊娠初期の女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんの目や耳、心臓に障害が起きるケースもあります。
◇46~62歳の男性は風しんにかかりやすい!?
現在、風しんの予防接種は、子どもの定期接種の対象となっています。しかし、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日生まれの男性には、定期接種の機会がありませんでした。
そのため、この年代に生まれた男性は抗体を持っておらず、風しんに感染するリスクが高くなっています。
市では、この年代の方のうち、風しんの抗体検査が未実施の方に、抗体検査と予防接種の無料クーポン券を送付しています。あなた自身とこれから生まれてくる赤ちゃんを守るため、まずはクーポン券を利用して抗体検査を受けましょう。
申込み:医療機関に直接お申し込みください。
※クーポン券の有効期限は令和7年2月28日(金)です。お手元にない場合は、保健予防課保健予防係までお問い合わせください。
【電話】42-7410
Q:近年、風しんは流行していませんよね。それでも、抗体検査を受けてみるべきですか?
A:近年、国内では風しんの大規模な流行は起こっていませんが、海外で感染し、帰国後に発症する例などが散見されています。
厚生労働省のホームページによると、コロナ禍直前の2019年度には成人男性を中心に2,000件以上の感染者が報告されています。その後、報告件数は徐々に下火になり、2023年度は10件台にとどまりました。しかし、現在はインバウンドの影響などで海外との行き来が活発化しており、予断を許さない状況です。
まずは、抗体検査を受けて免疫があるかどうかを確認してみましょう。
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