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挑戦するかがわのものづくり企業(67)

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香川県

手軽なツールとして存在感を増すドローン。その安全な運用を自社製品でサポートし、独自の発想でドローンの可能性を広げる、香川の企業を紹介します。

◆株式会社空撮技研
【住所】観音寺市大野原町荻原2351
設立:2014年
従業員数:10人
【電話】0875-54-2600
【HP】https://www.multicopter.co.jp/

■ドローンの可能性を広げる独創的なアイデアと開発力
空撮や物資の搬送、測量などさまざまな分野で活用が広がるドローン。空撮技研は、ドローンを使った空撮や、操縦者を育成する各種講習のほか、ドローンを安全に使用するための補助機器やドローンの技術を応用した製品開発などを行う企業です。「ドローンは高性能で気軽に扱える機器だからこそ、安全性を確保し、事故を防ぐための方策が不可欠です」と、代表取締役の合田豊(ごうだゆたか)さんは話します。

同社が開発した「ドローンスパイダー」は、飛行中のドローンをライン(糸)でつないでおくための係留装置です。常に一定の張力でドローンとつながっていることで、操作性を確保するとともに安全な運用をサポートし、万が一のためのブレーキも付いているため、暴走事故も未然に防げます。開発当時、このような製品は他になく、特許も取得。係留ラインがあってもそれを感じさせない自由な操縦が可能で、大型テーマパークやイベントなど運用が難しい場面での撮影で多くの使用実績を誇ります。

同社にはさまざまな空撮の依頼がきますが、中には立地などの関係で法律上ドローンを飛ばせないケースも。そんな依頼になんとか応えたいという思いから開発したのが風力自立棒「たおれん棒」です。棒の長さにはいくつかの種類があり、最も長い物では約14メートルの高所から先端に付いたカメラで撮影や測量ができます。通常はこのような長い棒を人の手で支えるのは困難ですが、この製品はドローンの技術を応用したプロペラの回転による風力で傾きを制御して、どんな場所でも安定して自立。ドローンが飛ばせない場所での高所点検や撮影で活躍する今までにない製品として、こちらも特許を取得しました。

合田さんは電気通信業界で無線技術者としてキャリアを積みながら、週末には趣味でラジコンヘリによる空撮をしていました。ドローンが少しずつ世に出始めたころ、空撮を本業とすることを決意し50歳で会社を早期退職。起業後はビジネスモデルがない中での会社運営に苦労しつつも、国家資格講習や民間講習の開催を通じてドローンユーザーの意識啓発に取り組むとともに、独創的なアイデアでものづくりを続けています。

起業後しばらくは合田さん1人で開発を担ってきましたが、現在は工学やプログラミングの知識を持つ18歳と20歳の技術者2人も開発に参加。設計はもちろん、最新鋭の3Dプリンターを駆使して、製品のパーツも多くを社内で製造しています。「若手社員は知識が豊富で、社内の勉強会を開くなど熱意も十分。頼もしい限りです」と合田さん。「今後も自社製品の開発をメインにしていきたい」と展望を語ります。

同社には赤外線カメラと望遠カメラを搭載したドローンを常に用意しています。これは、行方不明者の捜索や災害などの有事に備えたもの。「迅速に対応できる体制を整えているので、ためらわず連絡してほしい」と力を込めます。合田さんの言葉からは、ドローンをもっと社会の役に立てたいという強い思いが伺えました。

問い合わせ先:(公財)かがわ産業支援財団 取引支援課
【電話】087-868-9904

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