中学校一年
みなさん、突然ですが「三人に一人」これは何の数だと思いますか?これはアレルギーがある日本国民の割合です。
ぼくも幼い時からアレルギーがあります。アレルギーにはいくつか種類があり、その中でもぼくは、食物アレルギーがひどく、とても大変な思いをしました。卵、乳製品、大豆、小麦を含むすべての食品とかゆみ成分の多いパイナップル、メロンなどは食べられず、外食はほとんどしたことがありません。幼稚園ではもちろん給食を食べられないので、お弁当を持って行っていました。幼いながらに「何でぼくだけ食べられないんだろう…。みんなおいしそうに食べていてうらやましいな…。」と、思うことはよく、いや、毎日ありました。自分だけ、一人だけ取り残されたような何とも言えない感情でした。
そんな中、初めての遠足がありました。「友達とお菓子交換はできないよ。」と、母から何度も言い聞かされていました。「また、ぼくだけみんなと違う…。」そんな気持ちになりました。
少し不安な気持ちでむかえた遠足当日、なんと、何人もの友達が卵の入っていないおやつを持ってきてくれていて、とてもうれしかったことを覚えています。きちんと袋の成分表をぼくの母に見せて、食べられるか確認してから持ってきてくれたのです。少しおおげさかもしれませんが、手を差し伸べてくれた友達のおかげで一人ぼっちの世界から救われ、ぼくの世界が明るくなったのを感じました。その出来事で、アレルギーが治ったわけではありませんが、とても心が軽くなりました。それからのぼくは、給食の時間が嫌ではなくなりました。
幼稚園卒園から七年後の今、ぼくは、中学一年生になりました。もうほとんどのアレルギーを克服して、今は、生卵のアレルギーだけです。
四月の自己紹介でこの学校の中にもアレルギーのある人がいることを知りました。また、ぼくのいとこは、ぼくよりも重い症状のある食物アレルギーがあります。世界中にも、アレルギーや様々な病気と闘っている人がいるとニュースで知りました。その一方で、アレルギー物質の入っていない商品をよく見かけるようにもなりました。アレルギーのある人でも食べられる物がどんどん増えているのはとてもうれしいです。ぼくたちは周りの人の優しさや配慮に支えられて健康に過ごせています。「三人に一人」にアレルギーがあると言われる今の時代で、差別や偏見、噂で当事者を苦しめるのではなく、互いに助け合っていける世の中になればいいなと思います。そして、ぼくもいろいろな人とつながり、助け合いの輪を広げていけるように行動していきます。
◆自分ではどうすることもできないつらい思いが、友だちの気づかいある行動で、とてもあたたかい気持ちになりましたね。世界にも目をむけて考えているやさしさが伝わってきます。誰もが安心して生活していける言葉がけや行動をしていきたいですね。
問合せ:人権推進課
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