9月号では「人口の推移と人口減少の要因」や「人口減少がもたらす様々な影響」についてお伝えましたが、今回はこれまでさぬき市が行ってきた人口減少対策についてお伝えするとともに、これからのまちづくりなどについて考えていきます。
「2つの視点からの人口減少対策」
これまで、人口減少を食い止めることに主眼をおいた対策を中心に人口減少対策に取り組んできましたが、現実に減り続ける人口の推移を直視し、将来の姿も見据えた対策も進めています。
■人口減少を食い止める対策
さぬき市では、人口減少を食い止める対策として、住みたい・住み続けたいまちづくりをスローガンとして、安全・安心・快適に暮らせる生活環境の整備、福祉の向上および子育て支援策の充実等を進めてきました。また、平成27年度には、国の地方創生の方針に基づき、「さぬき市人口ビジョン」と「さぬき市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を定め、
◎誰もが生き生きと働くことができる環境をつくる
◎人の流れをつくる
◎結婚・出産・子育ての希望をかなえる
◎生きがいをもって、安心して住み続けられる地域社会をつくる
といった4つの大きな基本目標のもと、人口減少対策に特化した具体的施策と目標数値を掲げ、取り組みを続けています。
さらに、社会減を直接的に食い止める対策として、平成23年度に定住奨励金制度を開始し、新たに住居を建設して市内で暮らす人や、古くなった住居を建て替えて引き続き市内で暮らす人への支援を始め、平成25年度には結婚して市内で暮らす人への支援として結婚定住奨励金制度を、平成27年度には古くなった住居の一部を改修して引き続き市内で暮らす人への支援として住宅リフォーム支援事業補助金制度を開始しました。
このうち、定住奨励金は、昨年度までの13年間に延べ4,500を超える世帯の方にご利用いただいており、これら以外にも、香川県が設けた移住支援のための補助制度などを活用した定住支援策を行っています。
こうした効果もあって、課題とした社会減は一進一退を繰り返しながらも、大きく減に向かうことなく推移しています。
■人口減少社会を見据えた対策
今後、社会保障費の増加や生産年齢人口の減少にともなう税収の減少などによって、将来の財政状況はさらに厳しくなることが予測されています。
そうした中で、老朽化した公共施設の建て替えや更新費用がこれから増加することが想定される一方で、人口減少により公共施設の利用需要が低下していくことも予想されることから、平成27年度に「さぬき市公共施設等総合管理計画」を定め、公共施設の総量を約3割減らし、将来に渡って持続可能な公共施設サービスを提供していくこととしており、市民の皆さんにご理解とご協力をいただきながら施設の統廃合を計画的に進めています。
さらに、教育面では、生徒数が一定規模以下になると、より良い学習環境を確保することが難しいことから、未来を担う子どもたちの望ましい学習環境をつくるため、平成20年度に「さぬき市学校再編計画」を定め、保護者等のご理解をいただきながら学校施設の統廃合を進めてきました。
《さぬき市の人口減少対策》
○人口減少社会を見据えた対策
・公共施設等総合管理計画⇒持続可能な公共施設の保有量へと縮減
・学校再編計画⇒より良い学習環境の確保のための学校再編 など
○人口減少を食い止める対策
・まち・ひと・しごと創生総合戦略
⇒誰もが生き生きと働くことができる環境をつくる
⇒人の流れをつくる
⇒結婚・出産等の希望をかなえる
⇒安心して住み続けられる社会をつくる など
「共に歩むまち、さぬき市へ」
これからもさぬき市は、住みよいまちづくりに努めながら選ばれるまちを目指していきますが、香川県、そして国全体の人口が確実に減少すると予測されている中にあっては、更なる人口の減少は避けられないと予想されます。
人口減少社会にあっても市民の皆さんが安全・安心・快適に、かつ心豊かにこのまちで暮らしていくためには、各種社会インフラの整備や各種公共サービスを担う行政主体としての市の役割が重要であることは言うまでもありません。
その一方で、ここに暮らす市民の皆さんの中で、まちへの愛着を高めて共に関わり、まちを元気に良くしていこうという人が今よりもっと増えれば、きっとさぬき市はより良く活気のあるまちになり、市民の皆さん自身の暮らしに対する満足度も高まっていくのではないでしょうか。
実際、令和3年8月に実施した「第2次さぬき市総合計画後期基本計画」作成のための市民アンケート調査では、24.3%の人がさぬき市にとても愛着がある、46.1%の人がどちらかといえば愛着があると答えていますが、市ではこの「どちらかといえば…」を高い評価と受け止めて満足せず、いかにして高い評価に移行してもらえるよう取り組むかが大切であると考えています。
そうすることが、市民の皆さんが自分たちのまちを「我が事」としてとらえ、一歩踏み出して、共にまちづくりに関わっていくことに繋がるため、第2次さぬき市総合計画後期基本計画においては、「共に創る協働のまちづくりプロジェクト」を重点プロジェクトとして掲げ、形式にとらわれないさまざまな組織や人たちがその特性を活かしてまちづくりに参画できるよう支援していくこととしています。
次号以降では、こうした視点から、今市内で行われている住民参加型のまちづくり活動や新たなまちづくりのための試みなどを紹介していくとともに、現在市が策定を進めている令和7年度以降の人口減少対策の指針となる「第3期まち・ひと・しごと創生総合戦略(仮)」の概要などについてもお伝えしていきます。
問合せ:プロジェクト推進室
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