■「マルトリートメント」とは…「避けるべき子育て」
虐待とは言い切れない、大人から子どもへの発達を阻害する行為全般を含めた不適切な養育。
子どもを怒ったり、たたいたり、つい感情にまかせて親の気分で子への態度を変えるというのがよくないのです。
スマホやタブレットを子どもにあてがったり、授乳中にもSNSや動画を見たりして、親子のコミュニケーションの時間が無くなるのも良くありません。子どもに目立った傷や精神疾患が見られなくても、行為そのものが不適切であれば、それは「マルトリートメント」と言えます。
▽マルトリートメントと子どもの脳
子どもの脳にとっては、日々、子どもに何気なくかけている言葉、とっている行動が過度なストレスとなり、知らず知らずのうちに子どもの心(脳)を傷つけてしまうことがあるのです。
▽マルトリートメントが子どもの人生に影響を与える
脳が最も発育する幼少期に、不適切な関わりのせいで愛着が形成されない場合、特に精神面において問題を抱えてしまうことがあります。
具体的には、うつなどの心の病として出現したり、幼少期に問題がないようでも成人してから健全な人間関係が結べない、達成感を感じにくい、意欲がわかないなどの様々な問題が現れたりします。
▽私たち大人が注意すべきこと
子どもの気持ちに寄り添いながら育児をする必要があります。
■4つのポイント
・子どもの脳に及ぼす影響を理解し、体罰・暴言による子育てはしないこと。
・大人と子どもは対等な力関係ではないという前提に立つこと。
・親は、爆発寸前のイライラをクールダウンすること。
・親は子どもの気持ちと行動を分けて考え、成長を応援すること。
親は誰しも完ぺきではないからこそ「マルトリートメント」をしてしまうことがあります。その影響を親が知り、繰り返さないことです。
(友田 明美 教授)
問合せ:生涯学習課
【電話】0879-26-9974
<この記事についてアンケートにご協力ください。>