■同和問題
◇部落差別解消推進法(2016年)
部落差別(同和問題)の解決を図るために制定されたこの法律は、現在、恒久法として施行されています。
成立した背景には、次のようなことがあります。
・今も部落差別が存在している
・インターネットによる差別的な書き込みや差別情報の発信など、新たな部落差別事象の発生により、深刻な人権侵害が起きている
◇同和対策審議会答申(1965年)国民的課題とは
同和問題の解決に向けての方向性を示した答申には、「同和問題の早急な解決こそ国の責務であり、同時に国民的課題である」と記されています。では、何が国民的課題なのでしょうか。
具体例を挙げると、葬儀の際の「きよめ塩」や結婚式・披露宴での「ご両家」という言葉、「○○家控室」という表示などがそれにあたりますが、これが部落差別を生み育てる土壌(習慣・風習)です。
普段、当たり前のこととして生活の中に組み込まれているため、違和感を持つことはありません。さらに一人ひとりが部落差別を肯定する側の当事者であることを自覚できていないことが「みんなやっているから仕方ない」とか「私だけではない」という他人事になっていくのです。
◇「ご両家」「○○家控室」はなぜ問題?
「家」という字が使われているのは、廃止から70年以上経過している明治民法の「家制度」のなごりです。
現在の憲法24条では、「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立…」となっているにも関わらず、意識レベルで家と家のつながりから脱することができていません。そのため、香川県部落差別事象の発生の防止に関する条例で規制されている、身元調査を必要としてしまうと考えます。
正しい認識と生活の中にある悪しき習慣・風習をなくしていくことが、部落差別解消につながります。
12月4日(月)〜10日(日)は、「第75回人権週間」です。全ての人が個人として尊重される、平和で豊かな社会を実現しましょう。
問合せ:人権課
【電話】73・3008
<この記事についてアンケートにご協力ください。>