■「誰か」のことじゃない
法務省の人権擁護機関では、昭和24年(1949年)から毎年、国連が定める世界人権デーを最終日とする一週間を「人権週間」と定め、その期間中、各関係機関や団体と協力して、全国的に人権啓発活動を展開し、人権尊重思想の普及高揚を呼びかけています。
しかし、今なお、様々な人権課題が存在しています。近年では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴って、感染者や医療従事者、その家族などに対する偏見や差別といった新たな人権問題も発生しました。またSNS上で他人を誹謗中傷したり、個人の名誉やプライバシーを侵害、あるいは差別を助長するような情報を発信したりするといったインターネット上の人権侵害も深刻な問題となっています。これらは決して、自分以外の「誰かのこと」、「自分には関係のないこと」ではありません。
法務省のホームページで、1999年制作の啓発ポスターを見つけました。今から24年前のものです。とても大切なことが書かれているのでぜひ皆さんにもお伝えしたいと思い、紹介します。そこには、こんなことが書いてありました。「子どもや高齢者、障がいのある人のこと、男女差別や外国人差別、同和問題、そのほか日本中の、世界中の人権のこと、はたして1週間で考え尽くせるだろうか。」そして、「人権週刊ホントは毎週あってもいい。」「人権習慣実は毎日でも考えてほしい。」と続きます。間違えやすい漢字変換の例を使い、私たちが心に留めておくべきことを伝えています。
私たちの日常生活の中にも様々な「人権課題」は潜んでいます。「『誰か』のことじゃない」自分の問題として、日々、自己点検しながら生活していきましょう。
問合せ:人権課
【電話】24・8811
<この記事についてアンケートにご協力ください。>