■令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されます
令和6年4月1日から、相続(遺言を含む)によって不動産を取得した相続人は、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならないこととされました(不動産登記法第76条の2第1項)。正当な理由がなく義務に違反した場合は10万円以下の過料が科されることも。今月の相談室は、この新しいルールについて司法書士の小松弘知先生に解説していたただきます。
○こまつ司法書士事務所
司法書士・行政書士 小松弘知(こまつひろとも)
昭和50年生まれ。友人の相談をきっかけに法律で人の役に立ちたいと思い、東京や神奈川の司法書士事務所に勤務しながら司法書士の勉強をする。東日本大震災などをきっかけに高知へ戻り、地元の土佐市にて事務所を開業。
趣味はカラオケとお酒。誰の返杯も受けます!
◆そもそも、相続登記ってなに?
まず『登記』とは土地とか建物の名義のこと。誰のものかはっきりせんといかんということですね。相続登記は、相続を原因とした名義変更ということです。
◆どうして義務化になった?
空き家が増えて困っているのが一つ。さらに、相続ができていなくて相続人が不明の土地を合わせると、なんと九州よりも広い面積になるといわれています。こういった問題を解消するために、不動産のルールが大きく変わりました。
◆ほっちょったら、どうなる?
法律では『相続(遺言を含む)によって不動産を取得した相続人は、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない。正当な理由がなく義務に違反した場合は、十万円以下の過料が科されることがある』となっています。
ただ、相続人がたくさんいて相続登記が現実的に難しいなどの場合は、『自分が所有者の相続人の一人です』という届け出を法務局にすればよし、とされています。なので、このどちらかの手続きをすれば大丈夫。
◆昔に相続した不動産は関係ない?
令和6年4月1日より前に相続した不動産も、手続きをせないかんです。ちなみに、土地と建物それぞれに相続登記がいるので気をつけて。古い家は登記自体がされていないこともよくあります。
◆手続きにどのくらいお金がかかる?
一概には言えませんが、私がこれまでに依頼を受けたものは十万円以下でおさまることがほとんどです。
◆司法書士に頼らず自分でできる?
できますよ。その場合は費用をだいぶ抑えられますね。ただ、何度も法務局へ行くことになるので手間と時間がかかります。土佐市だと高知駅の北にある法務局(本局)が管轄なので、ちょっと大変かも。
◆どのくらい時間がかかる?
これもなかなか一概には言えませんが、たとえば親名義の不動産を子どもが相続するとして、スムーズにいけば一カ月くらい。
相続人がたくさんいるとか、海外に住んでいる相続人と連絡が取れない、みたいな場合は数カ月かかることもあります。
◆やっぱりよう分からんし、自分では決めれん。どこで相談できる?
ぜひ司法書士へ相談してください。初回相談が無料になることも多いし、便利ですよ。手続きにかかる詳しい費用も見積ってくれます。
ご相談を受けていて思うんですが、分からないことは恥ずかしいことではありません。司法書士はまちの相談役のような人。どうかこわがらず、気軽に相談してもらえたら嬉しいです。
相談・問い合わせ:(一社)土佐市観光協会 空き家相談窓口
【電話】088-881-3359
営業時間:8:30〜17:30(年末年始をのぞく)
*相談無料
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