土佐町 農畜林振興課
営農指導員 千頭健司
◆秋の畑の管理について
夏野菜のピークが過ぎると、すぐに秋冬野菜の準備が始まります。夏野菜の片付けや、秋まで収穫可能な野菜の管理、秋冬野菜の種まきなどに忙しい時期ですが、次作に向けての土作りも大切です。
▽石灰窒素を用いた土壌消毒について
石灰窒素に含まれる「カルシウムシアナミド」が土壌中の水分と反応することによって「シアナミド」に変化し、除草・殺虫・殺菌を行います。「シアナミド」は1週間ほどで尿素に変わり、最終的には窒素成分として植物に吸収されるため、農薬と肥料両方の効果を発揮します。
(施肥量の目安)(10アール当たり)
(1)葉菜類(ホウレンソウ・キャベツなど)60~100kg
(2)根菜類(ダイコン・バレイショなど)40~60kg
(3)豆類(大豆・インゲンなど)10~30kg
残さ処理する場合は10アール当たり10~30kgを施用してすき込みしましょう。
※注意
散布後、すぐに種まきや植え付けを行うことはできません。「シアナミド」が完全に肥料化するまで、期間を開けましょう。夏は3~5日春・秋は7~10日ほどで分解に時間を要します。
◆秋のカブ栽培について
カブは大株、中カブ、小カブの3つに大きく分類されます。大カブは直径15cm~20cm以上のカブを指し、中カブは直径8cm~10cm、小カブは直径5cm~6cmくらいのカブを指します。大きさによって栽培期間が異なります。秋まきの場合は、大カブが60日~90日、中カブは50日~60日、小カブは40日~50日です。
▽カブ栽培の水やりについて
カブは排水性に優れ、保水性の富む土壌を好みます。種が発芽するまでは、土が乾燥しないように、小まめに水やりをしますが、発芽以降は加湿にならないようにします。
▽播種する時の注意
適度な土壌水分の状態で播種し、覆土とまき溝の厚さを一定にして一斉に発芽させることが大切です。
図(1)播種後の状態 覆土は1cm程度を目安にします(重めの土では覆土を薄めにします)。
▽秋まき小カブの栽培暦(図(2))
図(1)、(2)は本紙をご覧ください。
◆カブの裂根の原因について
根の周皮(師部)の肥大が木部の伴わないときや、根の肥大の局部的な不均衡から起こります。生育後期に発生しやすく、栽培日数が長くなり、収穫が遅れると多くなります。
裂根を防止するには、生育前期は乾燥を防ぎ肥料や土壌水分が不足しないように、後期は土壌が多湿にならないように畑の排水性をよくすることが大切です。
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