このコーナーでは、何気ない日常で見つけた素敵なデザインを楽しみます。
▼日高村「見仏記」(鑑賞入門編)
今回は、日高村の仏教文化財を楽しく鑑賞するヒントを紹介します。
▽組織
会社の組織のように仏像の世界にも組織があり、図の組織図のように上から1.如来、2.菩薩、3.明王、4.天の順になっています。
※図は本紙21ページをご覧ください。
1.如来:さとりをひらいた仏で仏の中で最高位のグループ。
2.菩薩:将来さとりをひらいて如来になるために、一生懸命修行をしている仏で2番目のグループ。
3.明王:密教(※1)の中で考え出されたグループ。目をむいた怒った顔をしているのは、いうことを聞かない人を救うために、おっかない姿をしている。密教の最高の如来の大日如来の分身(子分)。
※1 元は仏教と別のインドの宗教が持っていた考え方や修行のしかたを仏教にとりいれて発展させた秘密の教え(密教の「密」は秘密の「密」)。弘法大師空海が日本に伝えた。
4.天:仏教ができる前からインドの人たちが信じていたさまざまな神様が仏教に取り入れられたグループで姿形もさまざま。
▽修験
拝む対象として仏像が日本に定着してくると、仏像に似ている像で人や神様を像にしたものも作られるようになりました。九頭の護国寺には修験道開祖を像にした木造役行者倚像や修験道の神様を像にした蔵王権現像などがあります。
※今回紹介した像の中には、通常一般公開されていない像も含まれています。
•参考資料
・令和4年度日高村文化財保存活用地域計画策定委託業務(概要調査)報告書
・日高村教育委員会日高村文化財誌
・山本勉「仏像のひみつ」朝日出版社2006年
・前田和男「私のメモ帳第9」前田和男2014年
・日高村文化財保護審議委員会「日高村文化財誌」1972年
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