このコーナーでは、何気ない日常で見つけた素敵なデザインを楽しみます。
▼日高村「見仏記」(鑑賞入門 如来編)
今回も日高村の仏教文化財を楽しく鑑賞するヒントを紹介します。
▽如来
悟りをひらいた如来の体には32の特徴(細かい特徴なら80)があるといわれており、その如来独自の特徴や仏像一般の特徴について日高村にある如来像で見てみましょう。
(1)頭の上のこぶ(肉髻(にっけい))…知恵袋が余分にあって上に出ている。
(2)髪の毛…長い髪が勝手に右巻きのパンチパーマのような髪になった。香りは良く、色を付ける場合は紺青色。
(3)衣…釈迦が6年間修行をしていたときの衣でボロボロになっている。
(4)額の丸(白毫)…一本の白い毛が右回りでまとまっている。いつも光を放っている。
(5)手指の形(印相)…仏の法力を示したもので、形でどういった仏様か分かる。
(6)その他代表的な特徴…歯が40本(人は28~32本)、舌が顔よりも大きい、手足の指の間に水かきがある。
〇木造彌勒如来坐像(下分・弥勒堂) 村指定文化財
釈迦が亡くなってから56億7000万年後に人々を救いにくる仏様(未来仏)。村では最古級の仏像で、小村神社にある重要文化財の菩薩面と同じ平安時代に作られました。とても大きな像で像高が2m12cm、像幅が1m52cmある。楠の一本の材から主要な部分を彫り出した一木造。
〇阿弥陀如来懸仏(沖名・八幡神社) 県指定文化財
親指と人差し指で輪を作り、お腹の前で合わせる手つきは定印と呼ばれ、釈迦が坐禅を組んで瞑想に入っているときの印相で、阿弥陀如来を表す印相です。懸仏とは銅製の円盤に仏像を付けたもので、神仏習合により鎌倉時代から室町時代に多く作られました。
※今回紹介した仏像は通常一般公開されていません。
•参考資料
・令和4年度日高村文化財保存活用地域計画策定委託業務(概要調査)報告書
・日高村教育委員会「日高村史」1976年
・山本勉「仏像のひみつ」朝日出版社2006年
・西村公朝・飛鳥園「やさしい仏像の見方」新潮社1983年
・日高村文化財保護審議委員会「日高村文化財誌」1972年
・前田和男「私のメモ帳」2014年
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