倉吉市内で特殊詐欺の被害が増えています。今年に入ってから、倉吉警察署管内での特殊詐欺被害は11件、被害総額は約9400万円(令和5年9月末時点)。すでに昨年1年間の被害(5件、約550万円)を大きく超えています。固定電話、携帯電話、メール、インターネットなどさまざまな通信媒体からはじまる「特殊詐欺」の手口と、被害に遭わないための対策について紹介します。
■鳥取県および倉吉警察署管内の特殊詐欺発生件数(単位:件)
※R5は9月末時点のデータ。
()内は倉吉警察署管内の被害件数
■県内での特殊詐欺の手口ごとの発生件数(令和4年)
「この電話はあと2時間で使えなくなります。番号1を押してください」
突然こんな電話がかかってきたら、特殊詐欺です。
◆特殊詐欺とは
「被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、指定した預貯金口座への振込そのほかの方法により、不特定多数の者から現金などをだまし取る犯罪」を特殊詐欺といいます。
特殊詐欺には次のような種類があり、手口も多岐にわたります。
◇架空料金請求詐欺
「未払いの料金がある」などのうそをついて金銭などをだまし取る。近年は、インターネットを利用中に「ウイルスに感染した」などとうその画面を表示して修理・サポート料金を払わせる通称「サポート詐欺」も増えている。
◇還付金詐欺
「税金の還付がある」などとうそをつき、還付を受け取るために必要な手続きを装ってATMを操作させ、振込送金させる。
◇預貯金詐欺・キャッシュカード詐欺盗
「あなたの口座が犯罪に利用されている、キャッシュカードの交換手続きが必要」などとうそをつき、キャッシュカードをだまし取ったり、すり替えて盗んだりする。その後、そのキャッシュカードを使用して口座からお金を引き出す。
◆最近増えている手口とは?
近年は、「サポート詐欺」と呼ばれる架空料金請求詐欺が増えています。
インターネットを利用している最中に、突然「ウイルスに感染しました」などの警告画面が表示され、大きな警告音が鳴ります。
画面に表示されている番号に電話すると、「ウイルスを除去するためにサポート料が必要」などと言われ、コンビニなどで電子マネーカードを購入して、そのカードの番号を教えるよう指示されます。このような場合は決してお金を払わず、まずは家族や警察に相談してください。
また、国際電話番号(日本以外からの電話)で特殊詐欺の電話がかかってくる事例も増えています。「+1」「+44」などから始まる電話番号は詐欺の可能性がありますので、電話に出ない、かけ直さないようご注意ください。
◆こんな話は、特殊詐欺!
特殊詐欺の犯人は、「あなたの口座が詐欺に利用されていて、口座を凍結しなければいけない。すぐにキャッシュカードを渡してほしい」、「サイトの利用料金が未払いで、今日中に振り込まなければ裁判になる」など、うそをついて被害者にお金を振り込ませようとします。
「未納料金がある」、「今日中に手続きをしないと還付金が受け取れなくなる」など、急いでお金を振り込むよう指示があった場合は詐欺の可能性が高いです。すぐにお金を支払ったりせず、落ち着いて家族や警察に相談してください。
もしかして、詐欺かも…?
◇市役所から還付金のお知らせです。
保険料の払い戻しがあり、お金が返ってきます。今日中にATMで手続きをしてください。
◇もしもし、警察ですが。
あなたの口座が詐欺に利用されていますので、キャッシュカードを預からせてください。
◇パソコンがウイルスに感染しました。
ウイルスを取り除くためのサポート料金として、コンビニで電子マネーカードを買ってください。
◇未払いの電話料金があります。
支払いがない場合は裁判になりますので、今日中に料金を振り込んでください。
◆実際にあった被害
「還付金の書類を送りましたが、確認されましたか。今日中に手続きをすればお金が戻ってきます」
鳥取県在住のAさんに、市役所を名乗る男から電話がかかってきました。今日中に手続きをしないと還付金が受け取れないと言われ、慌ててATMへ向かったAさん。電話をかけてきた男の指示どおりにATMを操作して、約250万円を他人の口座に振り込んでしまいました。
また、Bさんにかかってきた電話は警察を名乗る男からでした。「あなたの口座が暴力団の犯罪に使われている。事件の捜査のためにキャッシュカードを預からなくてはいけない」と言われ通帳とキャッシュカードを渡すと、約3400万円が何者かに不正に引き出されてしまいました。
市役所の職員や警察官、大企業の社員などとうそをついて電話をかけてくることが多いのも特殊詐欺の特徴のひとつです。市役所の手続きでATMを操作してもらうことはありません。また、警察がキャッシュカードを預かることはありません。このような電話はすべて詐欺ですので、絶対にお金を振り込んだり、通帳やキャッシュカードを渡したりしないでください。
◆被害に遭わないために
特殊詐欺の被害に遭わないためには、よくある手口を知ることと、普段から自分や家族でできる対策をとることが重要です。次の記事では、自宅の固定電話でできる特殊詐欺対策を紹介しています。また、防災行政無線や警察のポスターなどで特殊詐欺の発生情報を入手し、家族や地域の人と声をかけあって注意しましょう。
◆日頃から気を付けましょう
特殊詐欺は、誰でも被害に遭う可能性があります。被害者は20~80代の男性および女性で、ひとり暮らしの人も、家族と同居している人もおり、だます方法も固定電話・携帯電話・メール・インターネットなどさまざまです。「自分は大丈夫」とは思わず、初めての電話やメールには気をつけてください。
また、犯人は「今日中にお金を振り込まないと裁判になる」、「あなたの口座が犯罪に使われており、あなたは共犯者として捜査されている」など、被害者を焦らせたり、周りの人に相談させにくくしたりします。被害者本人は詐欺に遭っていることに気づきにくいため、自分が詐欺に遭わないよう気をつけるだけでなく、家族や地域の人が被害に遭いそうになっているときは声をかけ、警察に相談しましょう。
問合せ:防災安全課
【電話】22-8162【FAX】22-1087
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