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町長室から No.78

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鳥取県南部町

■深刻なイネカメムシ被害
昨年は「イネカメムシ」という害虫が南部町の平野部で大発生し、コメ生産農家に大きな被害をもたらしました。このカメムシは、家で見かけるものよりずっと小型で、それこそ米粒大の大きさですが、登熟前のモミを吸汁しながら生育するもので、大量発生するとイネに実が入らず、穂が収穫期になっても垂れ下らないほどの被害が発生します。町内では飼料用米が対前年の2割を下回る収穫量にとどまった大型生産者をはじめ、南部町の水稲生産に重大な影響を与えています。
生産農家の経営安定に向けた支援を、金融機関、鳥取西部農協、中四国農政局、鳥取県と連携し取り組んでいくことで、今春以降も南部町の農業基盤である水稲を安心して作付けできる体制を急がねばなりません。また、イネカメムシの防除も必要です。鳥取県病害虫防除所の資料によると、越冬した成虫は早生品種の出穂前に越冬地から水田に移動し、その後に中生品種、晩生品種と、出穂を迎える水田に順次移動するそうです。そして、移動先の水田で葉や穂に産卵し、ふ化幼虫が穂を吸汁しながら生育し成虫になっていきます。そして、成虫は9月から10月頃に越冬地に移動するサイクルを繰り返すのだといいます。
このようなことからも、本年は町内での的確な時期に的確な防除が求められています。人への影響は絶対にあってはなりませんし、生態系への影響など関係機関とも協議しながら、進めてまいりたいと思います。町民の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
南部町長 陶山清孝

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