●世界第1位の高齢化率
全人口に占める65歳以上の高齢者の割合(令和2年)を見てみると、日本と世界の主要国とを比較した場合、日本(28.6%)、ドイツ(21.7%)、フランス(20.8%)となっています。
このように世界一の高齢社会を迎え、介護が日常化しつつある日本で浮かび上がった問題の1つに高齢者虐待があります。厚生労働省による令和4年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査によると、全国では年間38,291件の通報や相談が寄せられ、そのうち16,669件の虐待があったとされ、毎年増加の一途をたどっています。
●養護者が高齢者に行う虐待
食事や入浴などの身辺の世話、お金の管理など何らかの高齢者の世話をしている家族をはじめ、親族や同居人等の養護者が高齢者に行う虐待とは、高齢者虐待防止法第2条において、次のように定義されています。
▽身体的虐待
高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
▽介護・世話の放棄・放任
高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置、養護者以外の同居人による虐待行為の放置等、養護を著しく怠ること。
▽心理的虐待
高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
▽性的虐
待高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。
▽経済的虐待
養護者又は高齢者の親族が当該高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。
●まずは教えてほしい
例えば、親が「認知症ではないか?」と思われる兆候、以前は考えられないような言動を目の当たりにしたとき、「あんなしっかり者だったのに」「こんな人ではなかった」と現状を受け止め難い中で、さらに次から次とさまざまな症状を示す親の姿にどう向き合ったらよいか分からず、混乱したり、ささいなことに腹が立って執拗に責めたり、「顔も見たくない」と拒絶したり、「してはいけない」「しても何にもならない」と思いつつしてしまうことがあるかもしれません。
そんな時はまず誰かにそのことを言ってほしい、そしてその辛さや悩みを地域包括支援センターに話をしてみてほしいと思います。
問合せ:健康福祉課 地域括支援センター
【電話】72-8420
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