年齢を重ねるとともに抱える病気が増えて、処方される薬の種類も多くなると、健康に影響を及ぼす心配があります。高齢者では、使っている薬が6種類以上になると、副作用を起こす人が増えるというデータもあります。
■「ポリファーマシー」って聞いたことありますか?
多くの薬を服用しているために、副作用を起こしたり、きちんと薬が飲めなくなったりしている状態をいいます。単に服用する薬の数が多いことではありません。
■高齢者で副作用が起こりやすい理由
(1)薬が効きすぎる
高齢になると、肝臓や腎臓の働きが弱くなるため、同じ薬でも若いときと違って体に薬が残りやすく、効きすぎたり、予期せぬ副作用が生じたりします。
(2)持病が増えて薬が増える
飲む薬の数が増えるほど、薬どうしの相互作用が起きやすく、副作用のリスクが高くなります。また薬が増えてくると、飲み忘れなども多くなり、持病を進行させてしまう心配があります。
(3)病気以外の理由でも薬が増える
年をとると、高齢者特有の症状(睡眠障害、抑うつ等)が現れて、そのような心身の機能低下が招くさまざまな不調が、薬の増加や副作用につながっています。
■高齢者に多い薬の副作用・症状
薬を飲んでいて、次のような症状が気になることはありませんか。薬が追加されたり、変わったりした後は、特に注意しましょう。
・ふらつき、転倒
・物忘れ
・抑うつ
・食欲低下
・便秘
・せん妄(頭が混乱して興奮したり、ボーっとしたりする症状) など
■かかりつけ医師やかかりつけ薬剤師に相談を
気になる症状があっても、勝手に薬を止めたり、減らしたりするのはよくありません。薬が多いからといって必ず減らすべきということではありません。薬によっては、急にやめると症状が悪化したり、思わぬ副作用が出ることがあります。
病気ごとに異なる医療機関にかかっている場合は、薬が重複したり増えすぎたりしないよう、使っている薬を(サプリメントなど市販薬も含めて)正確に伝えましょう。
かかりつけの医師や薬剤師を持ち、自分の病気と薬を全て把握してもらうと安心です。
※かかりつけ医等からの指示で服薬管理されている方は、医師等の指示に従い、適正な服薬を続けてください。
○大切なポイント
・かかりつけの医師や薬剤師をもつ
・自己判断で薬の使用を中断しない
・使っている薬は必ず全て伝える
・お薬手帳は1冊にまとめる
問合せ:健康増進課
【電話】33-5613
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