「いにしえの香り」では、市で行っている文化財等調査保存事業などで発見された価値の高い新資料を、隔月で紹介しています。
■金毘羅(こんぴら)神社-土佐通り
本市の本浦東にある願船寺の海側からアーケードまでの通りは、土佐ん馬場または土佐通りと呼ばれています。ここへ幕末の頃、四国からカツオ漁をしに来ていた漁民達が、四国の海から小石を持ってきて御神体とし、金毘羅神社を建てました。
金毘羅様は航海安全の神で、香川県琴平町に総本宮があります。金毘羅神社にはその由来を記した碑文(ひぶん)があり、それに加えて、野間岬より南西約80kmの無人島群でカツオ漁をしていたことが記されています。鰹節は幕末まで、土佐節が東の横綱、薩摩節が西の横綱と言われていました。特にトカラ列島で作られた鰹節は最上等品とされ、将軍に献上したと言われています。その流れで串木野までやって来て、当時は本浦と羽島は鰹節の本場で、カツオ船が合わせて十数艘(そう)もいるほど賑わっていました。
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