スマートフォンの普及やタブレット機器を使った教育など、メディア機器は身近なものになり、子どもの生活にも大きな変化が起きています。子どもがメディア機器を使うと脳にどんな影響を及ぼすのかを知り、早期に対策することが重要です。
■子どもの脳の仕組み
人間の脳は、3歳までに神経細胞の基礎が作られ、5歳までに大人の脳の約9割が出来上がるといわれています。その間、脳は五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を通してバランスよく発達しますが、衝動を制御する前頭葉の発達は未熟で、自制する力と我慢する力は充分に育っていません。
■子どもの脳に何が起きるの?
まだ脳が充分に育っていない乳幼児期に、長時間メディア機器を使い続けると、脳に悪影響を与える恐れがあります。
○依存
スマートフォンやタブレットから出る強い光刺激と目まぐるしく変わる画像にさらされ、脳が興奮します。興奮を覚えた脳はさらに興奮を求めるようになります。
○コミュニケーションに支障が出る
かんしゃくを起こしたり、落ち着きがなくなったりします。
○寝つきが悪くなる
画面から出るブルーライトが睡眠を誘導するメラトニンの分泌を抑えてしまいます。また、体内時計が乱れて日中に眠気とだるさを感じます。
○勉強が嫌いになる
勉強や学校の活動に関心が向かなくなります。そして、勉強後にゲームをすると勉強した内容が記憶される前に消えてしまうといわれています。
■子どもの脳を守るために
○子どもの前でメディア機器を使わない
親が夢中になっている姿を見ている乳幼児ほど、使用すると熱中することが分かっています。
○家族でルールを決め、全員で守る
我慢する力を育てることが、その後の成長につながります。
○就寝時間を決め、生活リズムを整える
乳幼児は19~20時、小学校低学年は21時、高学年は遅くとも22時までに寝ることが大事です。
○スキンシップをとり、外遊びをする
乳幼児の機嫌が悪いときは抱っこをしたり、目を合わせて話しかけたりしましょう。また、日頃から外へ出かけて自然や人の中で多くの体験をさせましょう。
監修:町子ども・子育て応援大使 増田彰則
問合せ:子ども支援課 子育て支援係
【電話】(0996)24-8940
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