広報さつま1月号では、スマートフォンなどのメディア機器が身近になり、子どもの生活に大きな変化が起きていることを紹介しました。今回は、子どもがメディア機器を使うと目にどのような影響を及ぼすのか、知識と対策を紹介します。
■乳児~幼児期は目の機能が発達するとても重要な時期
目には、「目の前の物を見る力」以外に「見たい物にピントを合わせる力(調節反応)」や「物を立体的に見る力(両眼視機能)」など様々な機能があり、乳児期から幼児期にかけて発達します。調節反応の発達は、生後2か月頃から始まり、4か月頃に正確になります。そして、10か月頃には大人と同じ反応が見られるようになります。また、左右の目で同時に見て遠近感をとらえる両眼視機能は、3~5か月頃から急速に発達し、4歳頃に大人と同じレベルに達します。
■メディア機器を見続けると目にどんな影響があるか
近年、低年齢から物が二重に見える複視になったり、近視が進行したりする子どもが増えていることが分かっています。複視は、瞳が内側を向く急性内斜視によって引き起こされます。幼児期の急性内斜視は、自覚できずに発見が遅れることがあり、放置すると立体感覚が育たなくなる恐れがあります。また、低年齢から近視になると急速に進行し、大人になる頃には目から十数センチくらいの距離しかはっきり見えない強度の近視になる可能性が高くなります。強度の近視になると、緑内障や網膜剥離などの発症リスクが高まります。
2019年には、WHO(世界保健機関)から「2~4歳の子どものメディア機器の使用は1日1時間を超えないようにすること」、「2歳未満はテレビやメディア機器を視聴させないことが望ましい」というガイドラインが出されています。
■子どもがメディア機器を使用する時に気を付けること
・4歳までは可能な限りメディア機器を触らせない・見せない
・目と画面の間隔を30cm以上空ける
・長時間連続してメディア機器を使わない
・30分連続でメディア機器を見たときは5~10分休憩する
・休憩時には窓から外の景色を見る
・就寝前はメディア機器を使わない
最近の研究で、屋外の明るい環境で過ごす時間が長い子どもほど、近視になりにくいことが分かっています。長時間近くを見続ける場合でも、1日2時間外遊びをする子どもは、近視が進みにくいというデータもあります。保護者の負担にならない範囲で、外遊びの時間を作ることが大切です。
問合せ:子ども支援課 子育て支援係
【電話】(0996)24-8940
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