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【特集】防災を知る

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鹿児島県さつま町

本町の中心を流れる川内川。アユや山太郎ガニが獲れ、梅雨前はホタルを観賞できるなど、私たちに多くの恩恵をもたらします。しかし、過去に大規模な氾濫が発生し、脅威を与えたこともありました。
現在では、鶴田ダム再開発事業や分水路の整備など災害に強い川づくりが行われてきましたが、近年の異常気象により、想像を超える災害が発生する可能性もあります。いつ起こるか分からない災害に備えて家庭でできる準備について考えてみましょう。

平成18年7月に発生した県北部豪雨災害。停滞した梅雨前線の影響で、紫尾山の観測所では6日間に1’237ミリの記録的な大雨を観測しました。断続的に続いた大雨により川内川が氾濫。虎居地区や神子地区などの川内川付近の地域が甚大な被害を受けました。

■警戒レベルで避難のタイミングを知る
大雨のときに5段階のレベルに分けた防災情報が発表されます。レベル1~2は気象庁が発表する注意報などを指し、レベル3以上は町が発令する避難情報となります。レベルごとのとるべき行動を覚えて逃げ遅れないようにしましょう。

警戒レベル1:心構え
[早期注意情報]防災情報を入手する

警戒レベル2:避難行動確認
[大雨、洪水、高潮注意報]避難所や避難経路を確認する

警戒レベル3:避難準備
[高齢者等避難]高齢者以外も移動に時間のかかる人は避難する

警戒レベル4:すぐ避難
[避難指示]危険な場所からすぐに全員避難する

レベル4までに必ず避難!

警戒レベル5:命の危険安全確保
[緊急安全確保]すでに安全な避難ができず命が危険

■避難時に持っていくものを知る
水、食料、モバイルバッテリー、懐中電灯などは避難時に不可欠です。乳幼児がいる家庭はオムツや調理不要の離乳食、液体ミルクなどを準備しておくと良いでしょう。平常時からリュックに入れてすぐに持ち出せるように用意しておきましょう。
・食料(3日分)
・水(1日3リットル)
・薬
・ブランケット
・モバイルバッテリー
・懐中電灯
・タオル
・着替え

■情報収集の手段を知る
災害時だけでなく、日頃から防災に関連する気象情報や避難情報を確認しましょう。

○さつま町公式LINE
発令中の避難情報や開設している避難所を知ることができます。

○重ねるハザードマップ
浸水や土砂災害の危険区域が分かるハザードマップです。

○早よ見やん川内川
雨量や鶴田ダム、川内川の水位を知ることができます。

○鹿児島地方気象台
現在の雨量や今後の気象情報を知ることができます。

○Yahoo!防災速報
気象警報や大雨予報の通知を受け取ることができます。

■マイタイムラインを作ってみよう
○マイタイムラインとは?
マイタイムラインは、台風や大雨などによって河川の水位が上昇するときに、住民一人ひとりの家族構成や生活環境に合わせて「どのタイミングで」「どう行動するのか」をあらかじめ時系列で整理した自分自身の防災行動計画です。警戒レベルの意味や防災情報の収集方法などの必要な情報を知り、避難行動計画を作成しておくことで、いざ避難が必要となったときに落ち着いて行動することができます。

○虎居地区に住む山下さん家族が挑戦
現在住んでいる家は川内川のすぐ近くで、氾濫時の想定浸水深は3~5m。近所に佐和子さんの親族も住んでいる。
・ハザードマップを見ながら住んでいる場所の危険度をチェックしないとね!
・警戒レベルに合わせて家族の行動計画を作成

[山下さん家族のマイタイムライン]
警戒レベル2 注意報発表
・今後の気象予報を調べる
・川内川の水位情報を確認
・子どもの避難の準備をする
警戒レベル3 高齢者等避難
・川内川の水位情報を確認
・避難所の場所を確認
警戒レベル4 避難指示
・親族が避難したか確認
・町の避難所か親戚宅へ避難

令和3年7月に大雨が降ったときは、自宅が浸水する恐れがあったので、町の指定避難所へ行きましたが、避難者が多くて入れず、親戚宅に避難しました。それからは、町の指定避難所以外にも親戚宅を避難先の選択肢に入れるようにしました。これまでも梅雨時期は天気予報や防災情報を確認し、いつでも避難できる準備をしようと心掛けていましたが、今後はマイタイムラインも活用して、適切な行動がとれるように普段から家族で備えたいです。幼い子どもが2人いるため、オムツやミルクなども備蓄して、避難生活にも対応できるようにしたいと思います。

○防災専門官からアドバイス 平常時の備えが防災への近道
今年1月1日に発生した能登半島地震は、最大震度7を記録し、死傷者1,400人以上、住宅被害7万件以上と甚大な被害をもたらしました。改めて地震の怖さを実感されたことと思います。さつま町は、震度6弱が想定される南海トラフ地震などがあり、日頃からの備えがとても重要です。大災害時は警察・消防・自衛隊などの「公助」の迅速な救助は期待できません。そのため、家庭で日頃から災害に備えたり、災害時には事前に避難したりするなど、自分の命は自分で守る「自助」と、自分たちの地域は自分たちで守る「共助」が大切です。普段から避難経路や防災気象情報の確認、3日分の食料や水などを備蓄することなどを話し合い、家族全員で心掛けていただきたいと思います。また、マイタイムラインは、事前に自分自身の防災行動を時系列で整理しておくことで、いざというときの行動を判断するのに大変有効で、普段から防災について考えることにもつながります。町ホームページに作成ツールを掲載していますので、ご家庭で作成いただき、出水期前などにご活用いただければと思います。

平石 義和 防災専門官
安全・安心なまちづくりに向けたアドバイスを行います。

問合せ:総務課 危機管理係
【電話】(0996)24-8913

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