■レントゲン写真について
放射線には様々な種類があり、その中の一つにX線があります。私達はこのX線を利用して一般撮影やCT・骨密度の検査を行っています。一般撮影とは、X線を一方向からあてた平面の画像で、X線写真ともいいます。X線を初めて発見した物理学者の名前からレントゲン写真とも呼ばれています。こちらの呼び方のほうがみなさんには、なじみがあると思います。
レントゲン写真は、骨や水分・脂肪などの組織ごとに通過したX線の量の違いを利用しており、その差が濃淡で表されモノクロの平面画像になります。骨などの固くてX線を通しにくい部位は白く、肺など空気を多く含みX線の通りやすい部分は黒く写ります。
当院で一番多く撮影されているのが胸部のレントゲン写真です。胸部のレントゲン写真では、肺炎・気胸・肺がんなど肺の病気の他に、心臓の大きさ・大動脈の異常などを知ることができます。比較的検査時間が短く、被ばくが少ないため、検診や経過観察に向いています。レントゲンで病気の疑いを発見した場合には、多方向からX線をあてるCTなどで精密検査を行うことが一般的です。また、胸部のレントゲンを撮る際には、息を吸って止めてもらう必要があります。これは、息を止めることで画像がブレるのを防ぎ、大きく息を吸うことで肺に空気を多く入れ肺の構造を写りやすくするためです。検査の際は、肺を大きく膨らますことを意識しながら息を吸ってみてください。
1回のレントゲン検査で受ける放射線は、人体に悪影響を及ぼすと言われている放射線の量よりはるかに少なく設定されています。身体的な影響については過度に心配する必要はありません。ただし、胎児は放射線の影響を受けやすいため、妊娠中や妊娠の可能性のある人は撮影前にお知らせください。他にも、被ばくや放射線検査への不安や疑問がある場合はお気軽に医師や放射線技師にお尋ねください。
公立種子島病院 診療放射線技師 井上 史央里
【電話】26-1230
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