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自治体の皆さまへ

[特集]未来へつなごう、地域公共交通ー伊佐市の地域公共交通の今(1)

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鹿児島県伊佐市

◆苦しい地域公共交通の現状
みなさんは最近、バス、タクシーを利用していますか。伊佐市内の地域公共交通では新型コロナウイルス感染症が5類になって以降、少しずつ利用者の数は戻りつつありますが、依然として厳しい状況が続いています。また、そういった状況に追い打ちをかけるように人口減少、高齢化の進む本市ではドライバー不足も深刻化しています。このままの状況が続くと地域公共交通の存続に影響を及ぼしかねません。この特集では、私たちの暮らしに欠かせない存在である地域公共交通の必要性について改めて考えます。

◆地域に欠かせない公共交通を守るために
本市では、平成22年度に策定した「伊佐市地域交通総合連携計画」に基づき、公共交通に対するニーズに合わせ運行を維持してきました。
しかし、少子高齢化や人口減少等による公共交通利用者の減少や運転手不足の深刻化により、公共交通の維持は容易ではなくなっています。また、大口地区市街地に新たな商業施設が開業する一方で、周辺地域ではスーパーや医療機関の閉鎖がみられるなど、市民生活に影響を及ぼすさまざまな動きがありました。さらに、学生や高齢者、障がい者といった交通弱者に対し交通手段の確保は今後さらに深刻な問題となることが予想されています。

・地域公共交通の負のスパイラル

一方で、地域における移動手段の維持・確保は、交通分野の課題解決にとどまらず、まちづくり、観光振興、健康、福祉、教育、環境等のさまざまな分野で大きな効果をもたらすことが期待されています。
そのため、本市の公共交通の現状等を踏まえ、まちづくり、医療・福祉及び観光振興等の多角的な観点か地域利用を促進する事業者運行業務を担う行政利用促進や費用の支援ら、利便性と効率性のバランスの取れた持続可能な交通網を構築することを目的として令和4年に「伊佐市地域公共交通計画」を策定し、関係者が一丸となって持続可能な公共交通ネットワークづくりを進めています。

◆地域公共交通は街の血液
「学校に行こう」「病院に行こう」「買い物がしたい」といったように、人が何かをするには移動が伴います。地域の人々の移動が活発になれば街はうるおい、魅力の向上にもつながりますが、反対に停滞してしまうと、街全体が衰退していきます。そうした流れを作る地域公共交通は人間で例えると血液のような重要な役割を担っているといえます。

◆事業者が抱える「2024問題」
「2024問題」は、ドライバーに対して「時間外労働の上限規制」が適用されることで発生する諸問題のことで、物流業界を中心に大きな波紋が広がっています。
バス・タクシー業などは、労働が売上に直結する労働集約型産業であるため、労働時間の削減は、企業の売上や利益の減少、ドライバー個人の収入も減るという問題があり、離職につながる可能性も懸念されます。

◆三位一体となって守ろう
お住まいの地域の将来を考え、「自家用車」と「地域公共交通」の使い方を見直してみる必要があるかもしれません。利用者が減少し続ける中、事業者の努力や自治体の財政支援にも限界があります。地域公共交通の未来は「今」の私たちの行動にかかっているといえます。一人ひとりが、日常生活の中で地域公共交通の利用を考えていくことが大切です。

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