2 主要施策等の概要(続き)
基本目標6「安全、安心な住みよいまち」
公共交通については、高齢化、過疎化が進む中、地域基盤としての重要性が高まっています。地域公共交通利便増進計画をもとに、将来を見据えた効率的な公共交通体系の整備とその利用促進を図り、社会活動、消費活動の活発化により、地域力の維持・向上につなげてまいります。
また、市内交通事業者と連携し、公共交通網の適正な維持のため、乗務員の育成、確保に引き続き努めてまいります。
公共インフラ(※10)においては、頻発する大規模災害からの教訓を受けて「防災・減災、国土強靭化」への対策がますます重要となっています。
道路や橋梁、河川環境については、国や県、関係団体と一体となり計画的に必要な補修・整備を進め、気候変動による気象災害や環境の変化に伴う影響を最小限に止めるよう、適切な安全管理と被害防止に努めるとともに、長寿命化計画に基づき公共インフラの安全性の確保を引き続き図ってまいります。
環境保全については、全国的な課題となっている適切な管理が行われていない空家等の対策や、合併処理浄化槽への転換の推進に取り組むとともに、ごみ分別の徹底やごみの減量化などについての取組を引き続き推進し、安全で快適に暮らせる良好な生活環境の整備に努めます。
水道事業においては、伊佐市水道事業経営戦略に基づき、老朽管の迅速な更新に取り組み、公共の福祉向上と収益性の確保を両立させつつ、安全で良質な水の安定的な提供に努めます。
土地利用においては、都市計画基礎調査等により「まち」の状況を把握し、住民意見を反映した具体性があるまちづくりの将来ビジョンを検討し、地区別の望ましい市街地像を示すとともに、地域別の課題に応じた都市計画に関する基本的な方針を定めてまいります。
災害等の緊急時の対応としては、引き続き地域や消防団と一体となり市民の防災意識の高揚を図りながら、緊急速報メールの配信登録を促すとともに、市内全域をカバーする防災行政無線の整備を実施します。
また、特殊詐欺、消費生活に関する被害の防止のための啓発や相談体制の充実に引き続き努めてまいります。
交通安全キャンペーン等を通して、市民の交通安全意識の高揚を図るとともに、運転に不安を抱える高齢者等の運転免許の自主返納を促す取組の効果を検証しながら、ガードレール等の交通安全施設や区画線の整備、通学路の安全対策の強化に計画的に取り組み、安全で安心な暮らしの充実を図ってまいります。
次に、「行財政改革」の概要について、説明申し上げます。
年々、多様化、細分化してきている市民ニーズに対し、機動的な対応をするためには、継続して行財政改革に取り組み、安定的な行政運営を行う必要があります。
官民連携を進めながら、公共施設の効率的な管理運営に努め、社会情勢や行政課題の変化に対応するため、事務事業の見直し、組織機構の見直し等を継続して実施するとともに、地域におけるデジタルデバイド対策(※11)の継続や行政手続のオンライン化など自治体DXに取り組み、市民の利便性の向上を図るとともに、業務の効率化を進め、持続可能な行政運営に努めてまいります。
併せて、新たに導入する伊佐市公式ラインにより、市民の方々のニーズに応じた情報提供など、きめ細やかな行政情報の発信に努めてまいります。
3 最後に
令和6年度の市政運営にあたり、鹿児島県が生んだ偉大な成功者である稲盛和夫先生の言葉を引用させていただきます。
先生の著書の中に「災難や苦難に遭ったら、嘆かず、腐らず、恨まず、愚痴をこぼさず、ひたすら前向きに明るく努力を続けていく。これから将来、よいことが起きるためにこの苦難があるのだと耐え、与えられた苦難に感謝する。よいことが起きれば、驕らず、偉ぶらず、謙虚さを失わず、自分がこんなよい機会に恵まれていいのだろうか、自分にはもったいないことだと感謝する。」という言葉があります。
日々を過ごしていく中で、良いこともあれば悪いことも起こります。このことは、個人の生活だけではなく、会社経営にも、行政運営においても当てはまると思います。
ただいまご紹介しました稲盛和夫先生の考え方を念頭におきながら「夢ある伊佐」のために失敗を恐れないチャレンジ精神を持ち続け、今に最善を尽くし、精力的に前に進んでいきたいと思います。
改めて市民のみなさまのご理解とご協力をお願いいたしまして、令和6年度の施政方針といたします。
(※10)インフラ…産業や社会生活の基盤となる施設。道路、橋りょう、ダム、学校、病院、公園など
(※11)デジタルデバイド対策…すべての人がデジタル化の恩恵を受けることができるよう、デジタル機器に不慣れな人でも容易に操作できるシステム設計や、スマホ教室の開催といった取り組みを行っていくこと
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