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自治体の皆さまへ

基幹相談支援センターだより(15)

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鹿児島県伊佐市

◆不安とのつきあい方
みなさんは「不安」と聞いてどのようなことを思い浮かべるでしょうか?普段からなんとなく不安を感じている人、職場や学校の人間関係、健康や将来について、新たなチャレンジや課題への不安など、さまざまな不安が私たちの身近にあるのではないでしょうか。
このような不安はとても厄介な存在である一方、安全に生活するためには必要なものでもあります。
不安は人が自分の命や存在をおびやかされるような状況に直面したときに生じるサインであり、本能のひとつでもあります。例えば自然災害や感染症の拡大など、不安があるからこそ事前に準備したり、起きた時の対応策を考えたりすることで、自分を危機から守ることができるのです。
しかし日常的に不安を感じている状態が続くとストレス反応として、頭が痛い、お腹が痛い、眠れない、肩が凝って体が硬くなる、落ち着きがない、イライラしてしまう、食欲がないなどの症状として現れることがあります。
また不安の原因を解決しようと思っても心配なあまり先に進めなくなって、深みに入っていってしまいます。それどころか失敗するような状況を自分で作り出してしまい、緊張して頭がうまく働かなくなり肩に力が入り、結局失敗してしまうことになります。そのとき「予測通り失敗した」と考えてしまいがちですが「予測したから」失敗したといえます。
そうしたことを避けるためには可能性と確率を区別して考えるようにしておくとよいでしょう。例えば、感染症の拡大や自然災害が起きる可能性はいつでもありますし、事件や事故に巻き込まれる可能性はあります。だからといって、すべての行動を制限していたのでは、自分らしい生活は送れなくなります。「将来どんな悪いことが起きるか」ということよりも、そうした不安自体、あるいは希望を失うこと自体が大きなリスクとなって自分を苦しめてしまうことを考えなければなりません。
また不安を感じながらも現実に目を向け的確な判断をしていくためには情報や起こっている出来事に関して「本当にそうなのか」と冷静に多面的な角度から考えてみる必要もあるかと思います。
そして不安にとらわれやすい人は今の自分の状態を言葉にすることも大切です。「ここが痛い」「ここがつらい」「○○が心配」などの感情や感覚を言葉にして伝える。そのためには安心と安全のなかで自分の話を聞いてくれる人が身近にいるかどうかが大切になります。もしなかなか話せる人がいない場合、ノートに自分の気持ちを書いてみることもおすすめです。
このように人は不安を感じないようにすることはできませんし、ときに自分を守ってくれるものでもあります。その不安とうまく付き合うためには、不安になっている自分に気づき、受け止め、それを安心できる人と共有していくことが大切です。

問い合わせ:伊佐市基幹相談支援センター(伊佐市役所福祉課内)
【電話】23-1317

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