公益財団法人慈愛会と垂水市の包括連携協定のもと、今村総合病院の医師等の皆様にご協力いただき、市民の皆様の健康増進及び子育て支援啓発を目的に、4か月に1回、皆様にお伝えしたい情報をコラム掲載いたします。
■子どもの便秘
健診や外来診察の時に子どもたちの便秘の相談を受けることがよくあります。排便のペースは個人差があるので、排便回数が少なくても、排便に困る症状を伴わずに規則的に便が出ている状況であれば心配はありません。しかし、排便回数が少ない(週2回以下)、排便時に痛みや出血がある、お腹を痛がる、お腹が張っているなど排便に困る症状を伴っている場合は便秘として対応が必要です。
(1)1歳まで(新生児期・乳児期)の便秘
赤ちゃんの排便習慣は変化するので、排便が3~4日に1回であっても、排便時に苦しそうにいきむ様子や号泣がない・十分に哺乳する・体重増加が順調であれば便秘と考えなくて大丈夫です。綿棒浣腸や腹部マッサージなどで排便を促したり、離乳食が進んでいれば果物・野菜・ヨーグルトを与えてみるなどの工夫もお勧めですが、苦しそうな様子があったり4日以上便が出ない場合は、一度小児科受診をお勧めします。
(2)1歳以降(乳幼児)の便秘
一時的な便秘がほとんどですが、2週間以上続く場合は右の図のような『便秘の悪循環』が起こっている可能性があり、対応が必要です。
悪循環を断ち切るためには、浣腸などで腸にたまった便を出して、広がった腸を戻す必要があります。その後、便を軟らかくするお薬を飲んだり、食物繊維の多い食事を摂り、排便習慣を身につけて便が腸にたまることを防ぎます。排便習慣を身につけるためには、毎日一定の時刻に一定時間(排便がなくても10分以内)トイレに座ることが大切で、腸蠕動が活発になる食後が特にお勧めです。さらに、保護者の方が傍について一緒にいきむ動作をするとより効果的です。
ぜひ、「早寝・早起き・朝ごはん・朝うんち」の習慣を整えていきましょう。頑固な便秘の中には病気が隠れていることもありますので、便秘でお悩みの際は一度小児科へご相談ください。
○『便秘の悪循環』
・今村総合病院小児科医 德永美菜子(みなこ)
鹿児島大学出身。小児内分泌を専門としています。こどもたちの笑顔や成長を見守ることができるのが小児科医の魅力だと感じています。診療を通じて、保護者の方の不安や悩み事の軽減やこどもたちの成長をサポートしていきたいです。
問合せ:保健課健康増進係
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