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特集 ひろがれ共生の輪(3)

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鹿児島県 垂水市

◆鹿児島県国際交流協会 専務理事 松下正(ただし)さん
大島郡伊仙町出身の62歳
垂水市在勤中の楽しい思い出が忘れられない
趣味は、マラソン

平成25年4月から2年間、垂水市の副市長(県庁から出向)を務め、その後、鹿児島県東京事務所長や環境林務部長を歴任され、現在、公益財団法人鹿児島県国際交流協会で専務理事を務める松下正さんにお伺いしました。

(1)鹿児島県内の外国人の現状
鹿児島県の総人口は、平成25年の167万人から、直近では155万人まで減少しております。特に地方部における生産年齢人口の減少が加速しております。一方、県内における外国人の人口は、平成25年の約6,400人から、この10年で倍増しており令和5年6月末では14,855人と、過去最高を記録しております。また、近年はインドネシア、ネパール、ミャンマー等の外国人の増加が著しく多国籍化しております。
県内の生産年齢人口の減少に伴い、地域の産業を支える技能実習生、特定技能などの外国人の割合が高くなっており、建設業、製造業、食品加工業、農業などに従事しています。

(2)鹿児島県国際交流協会が行う共生事業の取組みとその効果
それぞれの地域において日本人と外国人が多文化の中で共に生きていく社会づくりが強く求められているということを背景に、次の事業を実施しております。
1つ目は、災害時に要配慮者になりがちな外国人のために、外国人そのものが日本の災害について学び、さらに地元住民には外国人サポートの主役として必要なことを学ぶという講座を実施しております。
2つ目は、災害時に語学の面で外国人を支援できる人材を育成する養成講座を実施しております。
3つ目は、災害に限らず、日常的に外国人の困りごとなどの相談に対応している行政機関や団体等の窓口職員を対象に、相談対応の基礎知識を学ぶ研修を実施しております。
特に、災害時に助けあえるまちづくり事業においては、地域住民と外国人がお互いに助けあえる関係を築くことができ、いざという時に安心ですという声を聞いております。

(3)外国人との共生社会実現で地域に及ぼす効果
外国人と共生している地域では奉仕活動や文化活動などのコミュニティ活動への外国人の参加により、若者がいなかった担い手不足地域の活性化につながっているという声を聞いております。
従来、外国人住民にいかに、地域で安心して住んでもらえるかといった支援の手を差しのべることが多文化共生の姿でしたが、最近では外国人が地域の高齢者などを支援する側に立つ事例がみられるようになってきました。今後、外国人と日本人がお互い支えあう社会に変わっていくことになるのではないでしょうか。

(4)市民が外国人と接する際に心掛けること
多文化共生とは国籍等が異なる人々が文化的ちがいを認め、対等な関係を築き、地域社会で共に生活していくことであります。
そのためには、外国人にもわかりやすい「やさしい日本語」でコミュニケーションをとり相手のことを理解し、外国人が生活などの場面で困ることのないように相談や支援をしたうえで、外国人の市民活動への参加を促し、外国人と一緒に元気な垂水市をつくってほしいです。
ぜひ、外国人からも選ばれ住みやすい多文化共生のまちづくりに努めていただければ幸いです。

▽公益財団法人 鹿児島県国際交流協会
鹿児島と諸外国との交流や地域レベルの国際交流ならびに国際協力を積極的に推進するとともに、国際理解を深め、国際性豊かな地域社会づくりに寄与することを目的に県・市町村・財界の協力を得て設立された公益財団法人です。
国際理解の推進、国際交流活動の展開、多文化共生社会の推進、国際協力の推進の4つの大きな柱に基づき事業を行っております。
外国人に関する相談窓口も開設しております。

問合せ:【電話】070-7662-4541

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