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自治体の皆さまへ

GIGAスクール通信vol.24(1)

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鹿児島県 垂水市

令和3年度から、GIGAスクールによる一人一台端末を本格的に活用した教育が始まった垂水市。ここでは、市民の皆様に、GIGAスクールはどういったものなのか解説するとともに、各校の取組を紹介することで、GIGAスクール構想を基にした教育に親しみを持っていただければと思います。

今月のGIGAスクール通信は、垂水市のGIGAスクールアドバイザーである渡邉准教授(鹿児島女子短期大学)と坂元教育長の対談の様子をご紹介いたします。県内トップクラスのGIGAスクールのまちの今とこれからについて熱く話してもらいました。

●渡邉光浩(みつひろ)准教授
宮崎県公立小学校・教諭を経て、2018年より専任講師を経て現職。

●坂元裕人(ひろと)教育長
平成29年から教育長に就任し、現在3期目。

■GIGAスクールの成果
坂元 渡邉先生がアドバイザーとして、垂水市の取組みや、先生方と子供たちの変容など、どのように捉えておられますか。

渡邉 子供たちは、学習の道具として問題なく使いこなせるようになってきています。先生方は、活用が当たり前という考えになってきていて、「学習者主体の授業」についても理解が進んでいると感じています。垂水市の小学校で、大学などとオンラインで接続し、専門家と交流しながらの授業を見せていただきました。今までなら、特別な取組みとして捉えられがちでしたが、「普通のこと」のように取り組んでいました。GIGAスクール構想で整備された環境の下、ICTを活用した授業がどの学校においても進んでいると思います。

坂元 渡邉先生が「授業を通して具体的に学ぶ必要がある」とおっしゃいますが、垂水中央中学校が、県の研究協力校として取り組んだ「学校における教育の情報化」の研究公開がとてもよい研修となりました。具体的に言うと、特別活動の授業では、働くことについて、生徒が初めは「お金」と結び付けて考えていましたが、「社会貢献」にまで広げていきました。その変容がICTの活用によって瞬時に把握できていました。

渡邉 そうでしたね。共同編集で生徒全員の意見が一覧にできているのがよかったです。さらに、そこに止まらず、情報をちゃんと整理して伝えることまでできているのもよかったです。これは、他の公開授業でも同じようにできていました。研究公開での授業はICT機器の活用がグッと進み、リーディングDXスクールとしても、とてもよい取組みになっていました。

坂元 学力調査の結果では、垂水市の児童生徒の学力が向上しています。GIGAスクール構想の取組みは、学力向上にどう影響するのでしょうか。

渡邉 教育はいろいろな要素があって効果が表れるので、GIGAスクール構想の取組みだけではないと思います。しかし、1人1台端末の活用が進み、教師の学習観・授業観が問い直され変容していることが影響しているかもしれません。その上で、学力向上のための授業づくりに取り組んでおられることが結果につながったかもしれません。

坂元 子供たちのスキルはいかがでしょうか。

渡邉 私は、ICT機器の操作について専門に研究しています。研究の結果としては、先生が子供たちに主体的にどんどん活用させた方が、スキルは身に付きます。新しい操作を身に付けさせる場合に、先生が教えてから使わせるクラスと、「先生もよく分からないけど、自分たちで試してみてよ」と子供たちに任せているクラスとでは、任せているクラスの方がスキルは上がるのです。教える必要がないという意味ではありませんが、データとしては明らかになっているので、スキルの習得は子供たちにどんどん委ねた方がよいです。

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