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徳之島町「地域おこし協力隊」福本慶太さん、任期を終えて。

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鹿児島県徳之島町

2020年に徳之島町の「起業型地域おこし協力隊」として着任し、地方創生・地域活性化に向けて様々な取り組みを行ってきた福本慶太さん。4年間の協力隊任期を終え、これまでの活動と今後の展望についてお聞きしました。

―地域おこし協力隊で担ったミッションについてお聞かせください。
(福本)「起業型地域おこし協力隊」ということで、自らのアイデアで地方創生・地域活性化につながるような事業を計画して、新たなビジネスを生み出すことが任務でした。当時は徳之島が世界自然遺産に登録される時期と重なっていましたが、地元発の観光プログラムが少なく、島の外へ資金が流出してしまうことを懸念していたので、経済効果が地域へ還元されるような事業に取り組みたいと考えていました。

―具体的にはどのようなことに取り組んだのですか?
(福本)最初に企画したのは「集落自慢コンテスト」です。その名の通り、徳之島の集落に眠る様々な魅力を発掘し、地域とともに共有・共感しながら磨き上げていく企画で、応募当時は19の集落から約50件の集落自慢が集まりました。
しかし、いざコンテストを開催しようとした時に大きな壁にぶちあたって…。

―新型コロナウイルス感染症による「コロナ禍」ですね。
(福本)そうです。何とかコンテストのオンライン開催も目指しましたが、当時はまだオンラインイベントが普及しておらず、応募の取り下げなどもあり、泣く泣く開催を断念しました。その後も新型コロナの影響で、協力隊としてどうしていけばいいのか苦悩する日々が続きました。

―コロナ禍の期間はどんな活動をしていましたか?
(福本)地域活性化につながる事業を計画しなければならないのに、人と直接会うことがままならない、そもそも観光関連事業をやりたいのに、観光という分野そのものが、以前のような状況に戻るのかもわからない。協力隊としての任務が遂行できないことに焦りを感じながら、それでもできることをしようと試行錯誤しながら活動しました。
僕が協力隊としてやりたかったのは、人とのつながりや徳之島の魅力・価値をみんなで共有するようなソフト事業だったのですが、そこにこだわり続けていると何もできずに任期が終わってしまうので、観光庁の事業で「Eーバイク」を導入し、コロナ収束後を見据えてハード整備に取り組みました。Eーバイクは電動アシスト機能のついた自転車で、世界自然遺産の島を自転車で巡る「サイクルツアー」などの観光プログラムのために整備し、現在実際に稼働させることができています。
また、徳之島町は「SDGs(持続可能な開発目標)未来都市」に国から指定されているのですが、コロナ禍で海外への渡航が制限される中、ある高校から徳之島でSDGsを学ぶ修学旅行企画のオファーを受け活動しました。多数の生徒が在籍する高校からの依頼で、生徒はそれぞれいくつか用意された旅行先のプログラムを選ぶのですが、徳之島でのプログラムは人気が高く、最終的に約80名の参加希望がありました。内容の企画や、高校、旅行会社、宿泊施設等との調整は、僕自身が初めての経験ということもあり、とにかく大変でした。たくさんのトラブルに見舞われましたが、企画を成功させたい一心で奔走し、「何とか実施まで漕ぎつけられそうだ」というときに、高校側で新型コロナ感染が拡大し、修学旅行が中止になりました。

―大変でしたね…。
(福本)宿泊施設関係者など、方々に頭を下げて回りました。
ですが、実はこの修学旅行は翌年もオファーがあって、次年の希望者は140名にもなりました。長くなるので割愛しますが、前年以上に頑張って、「今度こそは」という思いでがむしゃらに動いたのですが、今度は徳之島で新型コロナが感染拡大し、結局2年目も中止が決まりました。徳之島高校と修学旅行生との交流など、良い企画ができていたので非常に悔しい思いをしました。

―新型コロナ感染症に翻弄され続けた2年目・3年目でしたね。
(福本)はい。協力隊の任期は3年間だったので何もできずに終わってしまうところでしたが、僕のように新型コロナによって活動に大きな制約を受けている隊員が全国にいたので、国が任期の特例制度を設け、町が任期を1年間延長してくれました。

―最終年度はどういった活動をしたのですか?
(福本)心機一転、新しいことにチャレンジしようと思い、地域をより良くしようと尽力している団体を国が表彰する「ふるさとづくり大賞」の最優秀団体を視察させてもらいました。そこでは古民家を活用した滞在施設や交流拠点づくりなどで「ふるさとの景色を変えずに次世代に残していく」ことを大切にしていて、非常に感銘を受けました。それまでは、地域おこし協力隊として「地域をサポートする」意識だったのですが、「自分がリスクを負って挑戦する覚悟がなければ、後に続く新しいチャレンジも生まれてこない」と感じ、思い切って滞在施設用の物件を徳之島で購入しました。現在は新しい事業のために準備を進めているところです。

―今後の抱負も含め、最後にひとことお願いします。
(福本)任期中は本当にたくさんの方に応援していただき、言葉では表し尽くせない感謝の気持ちでいっぱいです。経済効果が地域に波及するような観光事業をメインに、まだまだ頑張っていきます。皆様これからもよろしくお願いします!

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