■指宿市の自殺対策への取り組み
〜ゲートキーパー養成講座を実施しました〜
自殺を止めるためには、さまざまな悩みを抱える人に気付き、相手の気持ちを受け止めることが重要です。身体・知的・精神など障害がある市内の方々と関わる団体で構成された指宿市地域自立支援協議会は、自殺対策を支える人材研修の一貫としてゲートキーパー養成講座を実施しました。講師に山下みどりさんを迎え「若年層のSOSの受け止め方」というテーマで講演していただきました。
◆若年層のSOSの受け止め方
子どものSOSをどのように受け止めていますか。多くの大人はSOSを発する子どもがいた場合、ありのままに受け入れ、その言葉を注意深く聴いていると答えます。しかし実際は、話をまともに聴かずにアドバイスをしてしまったり、子どもの話を聴くより自分の意見を話していたりする傾向があります。子どもの話を聴く際のポイントは次の5つです。
(1)決めつけない
(2)アドバイスしない
(3)ありのままを受け止める
(4)勝手に想像しない
(5)子どもの情景を見せてもらう
例えば数学が分からないという子どもに対して「予習復習をしっかりしなさい」といきなり言うのではなく、「いつから分からないのか」「どんなことが分からないのか」詳しく聴き、子どもの立場に立って一緒に考えることがとても重要です。
自殺の危険が高まった子どもへの対応についてはTALKの原則というものがあります。体調や日常生活のことから会話を始め、不安なことや苦しいことなど今の感情を聴き共感し、相手の状況を理解した上で質問を行うようにしましょう。
死にたいという気持ちを確かめて良いのかと悩む方もいらっしゃるかもしれませんが、死にたい気持ちは24時間続くものではありません。子どもたちの安全を確保するためにも確認することがとても大切です。
公認心理師 山下(やました)みどりさん
【学歴・職歴】
鹿児島純心女子大学大学院人間科学研究科修了。これまで、さまざまな小・中・高等学校のスクールカウンセラーとして勤務。H29年からは指宿市教育委員会のスクールカウンセラーとして活躍。
【資格】
公認心理師・臨床心理士・上級教育カウンセラー
○TALKの原則
Tell:言葉に出して心配していることを伝える
Ask:「死にたい」という気持ちについて、率直に尋ねる
Listen:絶望的な気持ちを傾聴する
Keep safe:安全を確保する
・教育・子育て・青少年についての相談
今回の特集ではゲートキーパーについて取り上げました。悩んでいる人に気付き、声を掛けることで救われる命があります。自ら命を絶ってしまう人が1人でも少なくなるように、いつもと様子が違う人や何か思い詰めている人に気が付いたら声を掛けることから始めませんか。
問合せ:
(障害福祉に関すること)地域福祉課障害福祉係【電話】22-2111(内線)274・275
(ゲートキーパーに関すること)健康増進課健康指導係【電話】22-2111(内線)281・282
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