文化功労章を顕彰された西之表市出身の東京大学名誉教授河口洋一郎さんが2月、市内で開かれた講演会で、1975年に始めたCG(コンピューターグラフィックス)アートを熱く語りました。
種子島の海で遊び育った河口さんは、クラゲ、イソギンチャク、ヒトデ、ウニといった海の生物などを題材にして、自然の美をアルゴリズム(計算により解答を求める手法)で表現してきました。複雑な形をした生物にも一定の規則があるとみて、独自のアートの世界を切り開いています。
提案を一つ聞きました。珍鳥アカヒゲが種子島にすんでおり、それを活かせないか、と。この鳥は「見たい」という強い意志のある人は見ることができ、ボーッとしていたら見ることができないそうです。そんな示唆に富むユーモアを交えて「アートの世界から、島おこしに貢献できれば」「2050年をめざして頑張りましょう」と聴衆に呼びかけ、大きな拍手に包まれました。
ところで、島の未来について、3月の市議会でも質問があり、私は、港をキーワードに次のようなことを述べました。
例えば、西之表港は州之崎地区の埋め立てが終わり、埠頭用地の整備、運用が進んで大きく変容します。一次産業の農業、林業、漁業をはじめ、冷蔵冷凍施設や倉庫などの設置により、港湾を利用する諸産業の集結機能が強化されます。物流と人流の整理が進み、中央地区には高速船やフェリーのほか、クルーズ船などの大型船寄港も増え、交通ターミナル施設も思い描かれます。
臨港道路は、岸岐・築島の残る旧港をまたぐ高架橋を配置します。「榕城湾ブリッジ」と名づけるのはどうでしょうか。商業地や住宅地の連なる旧城下町では、旧武家屋敷などが分散配置された観光、商工業の拠点が人の流れをつくります。高校、看護学校の学生ら島外からの若者の流れも生まれ、港を島の活気の中核にして成長する、そんな未来を思い描いています。
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