■発達性ディスレクシアをご存知ですか?
当センターも開設されてから二年が経ち、おかげさまで多くの方々にご利用頂けるようになってきました。現在、相談の大半が子どもたちに関するものとなっており、その中でもとりわけ学習に関する相談が多くなっています。
日頃、学校に行きにくくなっているお子さんの相談をうかがう中で、ひょっとすると読み書きに困っているのではないかと思われることが度々あります。音読をしてもらうと、低学年であれば一文字一文字をたどたどしく拾い読みしているような様子が見られ、文字を単語のまとまりとして捉えることが難しかったり、助詞「は」や「へ」を正確に読めなかったり、じゃじゅじょや、きゃきゅきょ等の拗音や小さな「っ」促音が読めなかったりといった状態です。また読後に内容を問うと、理解が曖昧なことも多くあります。
こうしたお子さんの就学前の様子を聞くと、文字に対する興味関心が薄かった、言葉の言い間違えが多かった、しりとり遊びを楽しめなかった、逆さま言葉が苦手だった等の様子がみられていたことが分かります。
このような子どもたちは発達性ディスレクシア(発達性読み書き障害)である可能性が高いのですが、その場合は、音読時の流暢性や正確性、文章の解釈を本人の努力だけで補うことはとても難しいことです。
発達性ディスレクシアの最終的な診断は医師が行いますが、その傾向の有無を検出する目的で作られたスクリーニング検査を受けてもらうことで分かります。発達性ディスレクシアのお子さんは、頭の中で音を正確に聞き分け、分解したり合成したりといった時の音韻意識の働きが弱いと言われており、視覚的な文字を音に変換することに困難を抱えています。スクリーニング検査ではそういった音韻意識の弱さの有無を知ることができます。(次号に続く)
文責:種子島地区基幹相談支援セター荒木潮彦
問合せ:種子島地区基幹相談支援センター
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