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自治体の皆さまへ

【特集】今から備える 介護予防(2)

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鹿児島県霧島市

【今すぐ始めるフレイル予防】
誰しも加齢による心身の衰えは避けることができません。
いつまでも元気で家族や地域の人たちとつながり、社会参加しながら過ごすには、フレイル予防が鍵となります。

■3つのフレイル
○身体的フレイル(※1ロコモ、※2サルコペニアなど

○精神・心理的・認知的フレイル(うつ、認知機能低下など)

○社会的フレイル(独居、閉じこもり、孤食など)

※1 運動器の障害のために移動機能が低下した状態のこと。(ロコモティブシンドロームの略)
※2 加齢により筋肉量が減少し、筋力が低下すること。

「三位一体で対策を行うと効果が高まります。」

フレイルとは健康な状態と要介護状態の間の段階で、医学用語で虚弱を意味します。高齢者の多くが、フレイルの段階を経て要介護状態になると考えられています。
「まずは自分の現状と向き合うことが重要です。適切な予防に取り組めば、フレイルの進行を緩め、元の状態に戻すこともできます」と話すのは、理学療法士の中村大輔さん(42)です。

■適切な予防のために
理学療法士として医療機関で働いていた中村さんは令和3年、市の委託を受けて運動体操サロンの立ち上げに携わりました。当初は運動をメインに考えていたと話す中村さんは「フレイルを予防するには運動などのトレーニングがとても重要ですが、それだけでは不十分だと分かりました。栄養が不足した状態でトレーニングを行っても、ガス欠の状態で車を運転するようなものです。トレーニングを効果的に行うためには、栄養面のケアは欠かせません。さらに、低栄養の原因はかんだり飲み込んだりする口腔機能の低下などが考えられます。フレイルの原因は一つではなく、さまざまな問題が関連しているんです」と呼びかけます。
これらの課題に向き合い、適切な予防につなげたいとの思いから同年8月、介護施設などの社会資源が少ない横川地区で、最初の運動体操サロンをスタートさせました。「抱えている課題は人それぞれ。管理栄養士や歯科衛生士などを含むさまざまな人や機関と連携することで、フレイル予防につなげる体制を整えました。しかし、最も大切なことは、本人が楽しく続けられること。関わる全ての人たちの楽しい気持ちが集まれば、それが一番のフレイル予防につながると信じています」

介護予防について取り上げた今回の特集。超高齢社会を生きる私たちは今、まさに過渡期を迎えています。高齢者が地域で自分らしく暮らし続けられる環境づくりはもちろんですが、元気なうちに自らの健康を保持増進することが大切です。
市は高齢者福祉の向上や介護保険事業の円滑な運営のため、すこやか支えあいプラン2024を作成し、さまざまな取り組みを行っています。まずは自分にできることから取り組んでみましょう。フレイル予防、あなたはいつ始めますか。

理学療法士
中村 大輔さん(42)
趣味は走ること。最近はトレイルランニングで霧島山を駆け回っている。姶良市在住。

《INTERVIEW》
▽トレーニングを続けて杖が不要に
国分在住
塩水 勝男さん(82)
加齢とともに歩行が困難になり、杖がなければ歩けないほどに。このままではいけないと思い、妻の勧めで短期集中型予防サービスを利用しました。始めはボールを使った簡単なトレーニングですら体が思うように動きませんでしたが、指導員の助言などを受けて、トレーニングマシンを使った運動もできるように。3カ月後には杖なしで歩けるようになりました。今でも週2回ジムに通って体力を維持し、大好きな沖釣りも満喫しています。

▽若いうちからフレイル予防を意識して
(株)エルグ・テクノ健康運動指導士
東芦谷 薫さん(40)
運動体操サロンや短期集中型予防サービスなどでトレーニングの指導をしています。コロナ下では外出制限などで人との交流が減少。体や口を動かす機会が少なくなるとフレイルが進行し、体に悪い影響があります。元気な高齢者は若いうちから健康につながる活動を始めています。市内にはスポーツクラブやパーソナルジムなども増えています。早めにフレイル予防を意識し、自分に合った方法で楽しく体を動かす習慣を身に付けませんか。

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