■心つながる夏祭り
2024実行委員長 加治木 貴大(たかひろさん)(31)
2023実行委員長 中村 夢託(ゆうた)さん(39)
2020・2021 実行委員長 土橋 誠さん(45)
◎メンバー募集中
実行委員をしていた父に連れられて、子どもの頃から参加していました。まさか自分が、その祭りの実行委員長になるなんてプレッシャーしかない」と話すのは、50年の節目を迎えるふるさと霧島夏祭りの実行委員長を務める加治木貴大(たかひろ)さん(31)です。5年前から実行委員を務める加治木さんは今年、実行委員長としての責任や不安を抱えながら祭りの歴史に向き合います。
半世紀前、地元の若い人たちが集まり、霧島中学校の校庭にやぐらを組んで盆踊りを開催したのが祭りの始まり。その後、地元の青年団が中心となって続けてきた地域の祭りでしたが、数々の課題に直面し、一度は途絶えてしまいます。しかし、しばらくすると祭りの復活を望む声が地域の中で大きくなり、地元の若い人たちが結束してついに復活。現在は商工会青年部が主体となって続けています。
ふるさと霧島夏祭りの目玉といえば、何といっても抽選会。かつては賞品に自動車が登場したこともあるほどの力の入れようで、毎年さまざまな豪華賞品が並ぶ人気プログラムです。一方で、祭りの開催のために避けて通れないのが資金確保の問題。地元企業などから得られる協賛金が頼みの綱でしたが、それだけでは限界がありました。
思案の末に取り入れたのが、オリジナルグッズの販売です。それまで実行委員だけが着用していたTシャツなどを試しに販売すると、趣旨に賛同する人たちの協力で即完売。今では欠かせない活動の一つになりました。さらに霧島の自然や観光、協賛企業などを紹介した『きりしま知しっ得とく本』を制作。霧島市民として知っておきたい知識を盛り込んだこの本は、協賛企業のクーポン券を付けることで、資金調達だけでなく地域活性化にも寄与しました。また、製作の過程で地域の情報を一から調べ直したことで、柱状節理など新たな観光資源の発見や霧島神水峡の整備にもつながりました。ほかにも関東ふるさと会と連携して協賛金募集や祭りへの参加案内などを重ねることで、これまでにはなかったさまざまな交流やつながりも生まれています。
このように50年もの間、その時の人たちがただ真剣に祭りに取り組んできた結果、ふるさと霧島夏祭りは発展を続けてきました。しかし新型コロナの影響で、近年は規模を縮小。中止が続く人気プログラム「振舞い餅」も、実行委員会で再開の賛否が分かれる中、加治木さんの強い意思で実施を決断。「地域住民はもちろん、観光客などにも楽しんでもらいたい。地元の仲間が集まる場であったこの祭りが、みんなの心のふるさとになれたらうれしい」
▽ふるさと霧島夏祭り
日時:7月27日(土)午後6時〜9時30分
場所:霧島運動場(霧島田口3071)
問合せ:商工会霧島支所
【電話】57-1021
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