くらし まちに広がる、これからの夢

まち=買物公園エリアで過ごす日を「まちの日」=「まちにち」

旭川のシンボルとして親しまれてきた買物公園。
時代とともに人々の暮らしや価値観が変化し、その役割や姿も少しずつ変化していきました。日常的に訪れる場所としての魅力をどのように高めていくか―。
受け継がれてきた思いに新しい夢を重ね、買物公園の未来を描く動きが、今始まっています。

■多様なメンバーで未来を描く
「買物公園でこんなことができたら」「これがあったら楽しいのに」それぞれが思い描く夢や理想を共有し、その実現につながるアイデアを形にしながら、新しい買物公園の姿をつくりあげていくため、令和6年3月に「買物公園エリアプラットフォーム(以下「エリプラ」)」を発足しました。
商店街の代表者や学識経験者、買物公園をよく利用する市民、行政など、多様なメンバーで構成する新たな官民連携組織です。
「エリプラ」では、みんなが同じ目標に向かって活動できるように、今後のまちづくりの方向性や将来像の実現に向けた取組みを描いた「買物公園エリア未来ビジョン」を策定しました。
「素敵な自分でいられる」「行きたい・歩きたくなる」「やりたいことが実現できる」そんな買物公園を目指して、課題とも向き合いながら議論を重ね、みんなの思いを少しずつ形にしています。

■将来像の実現に向けた最初の一歩
「買物公園エリア未来ビジョン」の実現に向けて最初に取り組んだのが「まちにち計画」です。一度きりのイベントではなく、日常の中で気軽に立ち寄れる〝これからの買物公園の姿〞を試しながら探っていく社会実験として昨年初めて実施し、今年は8月9日〜9月21日の44日間実施しました。
「エリプラ」でプロジェクトチームを立ち上げ、4つのゾーン(1条・3条・5条・7条)ごとにチームを構築。「どのような仕組みにしたらみんなが使いやすい場所になるのか?」「何があればみんなが集まる場所になるのか?」アイデアや意見を出し合いながら、各ゾーンの特徴を生かしたコンテンツを検討し、芝生やベンチなどでくつろげる滞在空間、簡単な申請で自分のやりたいことが実現できるバスキングエリア、飲食や音楽、買物公園の夜を楽しめるイベントなど、さまざまな仕掛けを実施し、来街(らいがい)の促進や滞在時間の増加につなげました。

■エリプラメンバーに聞きました!
▽買物公園を歩く自分のことを好きになれるようなまちを目指します
子供の頃から買物公園の近くに住んでいて「自分もここで何かできないか」と思ったのが、エリプラに参加したきっかけです。
まちにち計画で作った買物公園の滞在空間は、誰かが必ず利用していて需要は高いと感じました。僕自身、都心エリアでは「ここを歩いてる俺カッコいい(笑)」と思うことがあります。同様に買物公園を歩く自分を好きになってもらえるまちづくりをしていきたいですね。
山田直人(やまだなおと)さん

▽買物公園の使い勝手の良さや可能性をアピールしたい
まちにち計画は、沿道店舗も巻き込みながら、買物公園の「通り」全体でつくることを意識しました。「通り」の特性を生かす企画は難しくもあり、面白さも感じましたね。買物公園は交通の面などから、市民の方にはやや心理的ハードルが高い場所なのかもと感じます。でも実は多くの可能性を秘めた使いやすい場所なので、それを改めて知ってもらえるよう活動していきたいです。
3条プロジェクトチームリーダー 柳絵里(やなぎえり)さん

▽実験から実現へ新しい買物公園を、わたしたちがつくっていく
当時の社会実験や買物公園オープン時の様子を知ると、日本初の歩行者専用道路を実現しようとした先人のとんでもないエネルギーを感じますし、それが50年以上続いている事実は、この場所の価値を物語っていると思います。
今回の社会実験では、滞在空間により普段は通り過ぎる人が自然と立ち止まって一息ついたり、各コンテンツを楽しんだりする姿がありました。まちにち計画は、改めて買物公園を訪れるきっかけとなったと感じます。ただ、ここで終わりではなく、次につなげていくことが大切です。
買物公園は「イベントの舞台」としても発展してきましたが、これからはもっと自由に過ごせる「公園」的な要素もあっていいと考えます。社会実験を通して見えてきた課題や効果を検討しながら、もっとすてきな新しい買物公園の姿をわたしたち市民みんなでつくりあげていきたいです。
エリプラ代表幹事 長尾英次(ながおえいじ)さん