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顎(がく)関節の病気について

耳の前に顎関節という関節がある。この関節に関連してる咀嚼(そしゃく)筋や顎関節の疼(とう)痛・関節雑音・開口障害または顎運動異常を主要症候とする慢性疾患を顎関節症と言う。これに関連して、肩頸(けんけい)部のこりや痛み・頭痛・耳の症状・目の症状を訴える人もいる。原因は過度のかみしめ、歯ぎしり、大開口、頬づえ、心理的因子としてストレス、顎口腔系の解剖学的因子、咬合因子などの多因子性と考えられている。治療法は、スプリント療法、薬物療法、理学療法がほとんどであるが、まれに外科的療法も行われる。また、関節雑音のみの症状では、治療はせずに経過観察をすることもある。
また、一般的に顎関節で知られている病気は、「顎がはずれた」と言われる顎関節脱臼がある。本病変が起こると、顔貌変化、開閉口不能、嚥下(えんげ)障害、顎の疼痛などが生じる。その原因は、過度の開口、歯科治療、気管内挿管、打撲、顎骨骨折、外力の作用、嘔吐などがある。
その他、関節炎であるリウマチ、外傷性顎関節炎、化膿性顎関節炎、痛風性関節炎があり、顎関節強直症、変形性関節症や腫瘍などもある。
何か顎の関節に気になることがあれば、近隣の歯科医院に相談してみてください。

〔執筆者紹介〕
美唄歯科医師会・川上譲治
メロディー歯科クリニック院長