- 発行日 :
- 自治体名 : 北海道歌志内市
- 広報紙名 : 広報うたしない 令和7年12月号
10月29日、「歌志内学園生徒と市長が語る会」を市役所4階の市議会議場で開催しました。
今回の語る会は、9年生の酒井華凛(さかいかりん)さん、沢田仁(さわだじん)さん、田中悠太(たなかゆうた)さん、宗片竜星(むねかたりゅうせい)さん(五十音順)の4名が「歌志内の魅力開発!~私たちにできること~」を活動テーマに自分の考えなどをまとめ、市長に発表・提案しました。
■説明・提案
歌志内の魅力を増やすことが地域の発展につながると思い、私たちが学園で栽培、収穫したさつまいも使って魅力を増やそうという意味で「歌志内の魅力開発!~私たちにできること~」をテーマに活動しました。
昨年、学園で植えたさつまいもが給食で全学年に提供されるほど収穫できたことから、歌志内はさつまいもの栽培に適しているのではないかと可能性を感じ、今年度もさつまいもを栽培することにしました。また、敷地内に大量に落ちていて嫌な気持ちになるシカのフンを有機肥料として有効活用できないか、実験しました。
魅力開発を探求するにあたり、まずは私たち自身がより歌志内のことを知るために、今年リニューアルされた道の駅とチロルの湯を視察してきました。
視察を経て、歌志内の魅力と課題について考えたので紹介します。
魅力1つ目は温泉水を使用したり、市内でとれた蜂蜜など歌志内のものを使用した商品があることです。2つ目は雲海が見られるなど自然が豊かなことです。3つ目は、迫力のある石炭みこしやよさこいがあり、歌志内の年間イベントの中で1番盛り上がる市民祭りのSYOTTEKE祭りがあることです。
魅力だけではなく、課題もあります。
課題1つ目は歌志内の特産物が少ないことです。道の駅の店長さんやチロルの湯の支配人さんも、特産物が少ないし、野菜など取れるものがあれば本当は置きたいと話していました。2つ目はお店や遊ぶ場所が少なく、結局市外に買い物などに行かなければいけなくなっていることです。
3つ目はSYOTTEKE祭りで若者向けのステージイベントが少ないことです。企画内容を決めるときの考え方を少し変えることで、祭りに訪れる人が増えると思いました。
■提案 さつまいもの栽培
紅あずまという1つの品種を栽培し、シカのフンを用いた有機肥料を利用することで通常の栽培と収穫量が変わるのか比較実験しました。
結果としては、天候などにより収穫量は少なかったですが、通常の栽培を行った8年生に比べると私たち9年生の方が多くとれたと思います。
さつまいもには食物繊維やカルシウム、ビタミンC、ベータカロテンなどが含まれ、今人気が急上昇している野菜ですので、歌志内の特産品になってまちを盛り上げてくれる可能性があると思います。
※この後、収穫したさつまいもに歌志内産の蜂蜜を用いた大学いもなど調理した3品の作り方と食べてみた感想、次に作るときに試したい改善点について発表がありました。また、生徒が調理した大学いもが出席した市長や市議会議員等に振る舞われました。
■市長コメント
いただいた大学いもは堅さがちょうど良く、味もたいへん素晴らしかったです。
さつまいもとじゃがいもの栽培・収穫と調査研究、そして実際に調理して食べて分析してということで、とても探求されており、大学や企業の取り組みの1つを見ているような、非常に素晴らしい発表に驚きました。
■さつまいもを使った新商品の提案
◇焼きいも
一般的にはオーブンなどで焼きますが、石炭を使うことで、ほかの焼きいもとは違う、歌志内独自の焼き方をアピールすることが可能になるのではないかと思いました。
◇さつまいもソフト
ソフトクリームの中にさつまいもを練り込むソフトクリームです。栄養満点でヘルシーなので、ダイエット中でも食べることができます。ほかにも、石炭ソフトとミックスすることで、新しい歌志内独自の商品を作れると思います。
◇なんこ鍋
特産品のなんことさつまいもを調和させた鍋です。もしさつまいもが歌志内の特産品になれば、ダブルで歌志内をアピール可能ではないのかと思いました。
※ほかにも、さつまいもスティックなどが提案されました
■市長コメント
新商品の提案ということで、石炭を使って焼いた焼きいも、さつまいもソフトなど多くの提案を出していただきました。
なんこは歌志内特有の特産品ですが、新たに提案をいただいたさつまいもとコラボしたなんこ鍋というものも、アイデアがあって素晴らしいと思います。
今後、皆さんのアイデアを参考にさせていただきながら、私たちも研究をしていきたいと思います。
■まとめ
チロルの湯の支配人さんや道の駅の店長さんへのインタビューを通して、歌志内に関わる人がまちを盛り上げるためにどれだけ頑張っているのかを知り、これからどう盛り上げていくかを自分たち自身も考えられることができました。しかし、特産物が少ないので、なんこ以外の特産物を増やしていく活動が大切だと思います。さつまいも栽培では天気や苗の種類で違いはあるものの、通常栽培の8年生と比較してみた結果、シカのフンが肥料として使えるということが分かりました。これらの活動をとおして、自分たちで考え、活動する大切さを知りました。この経験を今後に生かしていこうと思います。
■市長コメント
本日は皆さんの素晴らしい取り組みの発表に、感動しました。皆さんの取り組みは、自分で育てて自分で食べるという生産と消費の関わり、また伝統的な食文化について理解を深める絶好の機会となったのではないかと思います。今後も様々な経験をして成長され、歌志内出身者として活躍されることを期待しています。本日は、たいへん貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。
