くらし 月形花図鑑(3)

こんにちは。月形町地域おこし協力隊の石原絢子です。こちらのコーナーでは、月形町で生産されているお花を詳しくご紹介していこうと思います。今回は「クリスマスローズ」についてです。まさに今時期、お庭で楽しまれている方も多いと思います。月形町内の花農家さんも数件出荷しています。名前は「クリスマスに咲く薔薇」という意味がありますが、北海道では、雪解けを待って春に花開くことが多いですね。
クリスマス時期に出荷できるようにと工夫されている農家さんもいらっしゃいます。
学名は「ヘレボルス」。直訳すると「殺す植物」を意味し、葉や根茎に強い毒を持っているそうです。現在は品種改良も進みましたが、何かしらの害になりそうなので決して食さないでくださいね。
花言葉は「追憶」「私を忘れないで」「私の不安を取り除いてください」など、なんだか儚げなものが多いのはうつむき気味の花姿からでしょうか。
「クリスマスローズ」の歴史はかなり深く、キリスト誕生時の神話などにも伝わっているとても神秘的な花です。
北海道では、長く厳しい冬が終わりを告げ、ようやく雪解けの兆しが見え始める頃、そっと顔を出す緑。春の息吹を告げる「クリスマスローズ」は福寿草やクロッカスなど春に芽吹く花達と咲き始めを競うように早い時期に咲き始めます。
雪解け水が大地を潤し、待ちわびた草木が一斉に芽吹き始めるこれからの季節、「クリスマスローズ」は力強く花開きます。白、ピンク、紫、そして深い緑。最近だと八重咲きや「アンシリーズ」といった大輪系の品種も美しいです。寒さに耐え、春の光を浴びて咲くその姿は、冬のモノトーンの世界から解き放たれた私達の喜びを表現しているかのようです。
夏になると「クリスマスローズ」は、夏の強い日差しを避けるように、木陰で静かに葉を広げます。花期を終えた葉は大きく広がり、次の冬の寒さに耐えるための力を蓄えているかのようです。
私も以前、農家さんから株分けしていただいた「クリスマスローズ」を実家の庭の数か所に植えています。雪が積もっていても、次の春、またこの場所に美しい花を咲かせてくれることを願いながら、雪に覆われた庭を見つめています。