くらし 活動する、秋(1)

芸術、スポーツ、読書、食欲、行楽。秋は色々な活動がしやすく、秋だからこそ感じられる魅力や楽しみがあると言われています。例えば「読書の秋」は、涼しく落ち着いた秋の季節に、本を読むのが心地良く感じられることからそう呼ばれるようになったそうです。気候や自然の変化などが人々の感じ方や活動に影響を与え、特別な意味や楽しさが加わるのが、この季節の特徴と言えます。
そこで今回は「活動する秋」をテーマに、町内で様々な活動を行っている皆様を紹介し、活動の魅力やその思いに迫ります。

◆Scene1 手話を学ぶ
▽人とまちと、つながる活動へ
町民会館で開催された「はじめての手話講習会」。この講習会に参加した4名の方はマナビティーセンター利用サークル「美幌手話の会ピポロ」の皆様から、自分の名前や住んでいる町など、耳の不自由な方と手話を使ってスムーズに意思疎通を図る方法を教わっていました。
この講習会をとおして手話への興味関心を深め、サークルに加入して継続してもらう方を増やしていこうという気持ちで、手話の会ピポロは毎年手話講習会を企画し、講座を開催しています。講習会に参加したきっかけは様々でも、学びたい気持ちは一緒。4名とも、講習会が終わった後も手話を続けて学びたいと前向きです。
自分たちの楽しみや趣味のための集まりから、「楽しい思い」を少しずつ全体に広げ、愛好者を拡大し、新たな出会いを生み出しや地域とつながっていく活動へ。美幌町にはこうした活動に多くの方々が参画し、様々な分野で町を盛り上げています。

▽聞いてみました。講習会に参加したきっかけ
・以前、別の手話サークルに入っていましたが、体調を崩し中断。体調が回復し、また手話を学びたいと思っていた時に、講習会が開催されるのを知り、参加しました。
・図書館で、講習会開催のポスターを見ました。医療関係の仕事をしていて、上手に話すことができない方と手話でコミュニケーションが取れると良いと思い、参加しました。

▽マナビティーセンター利用サークル
手工芸、絵画、詩吟、ダンス、音楽、学習、民謡など33サークルが活動しています。見学は自由。詳しくは町HPで紹介しているほか、教育委員会公式YouTubeチャンネルでもサークル活動の様子を好評配信中です。

問合せ:社会教育課 社会教育G
【電話】73-4187

◆Scene2 読み聞かせ
町内3つの小学校全てで、授業が始まる前の10分間、子どもたちに読み語りを行っている皆様がいることをご存じでしょうか。
「美幌出前お話の会がらがらどん」の皆様は、この読み語りを平成23年から継続しています。インターネットやスマートフォンで気軽で簡単に動画を見られるようになっても、読み語りが子どもたちの心に響き、本を読むことの大切さや楽しさを伝えようと、月に1回、各学級を回っています。
今回は、会の代表である小川慶子さんに、これまでの活動や読み語りを行って感じることなど、その魅力をお聞きしました。

1.「がらがらどん」の結成と小川さんの本とのかかわり
会の活動は平成7年から。小川さんは図書館から「読み聞かせボランティアになりませんか」という呼びかけに応じたことがきっかけでこの会を結成。現在は絵本好きの方が集まって、学校での読み語りや各団体への出前公演などを行っています。
「自分自身は本に触れずに小学生になった」と話す小川さん。お子さんが小さい時、出版社の方に絵本の面白さを教えてもらったことがきっかけとなって、小川さんと本とのかかわりが始まります。

2.読み語りを始めたきっかけ
学校から「読み聞かせを子どもたちに」という要望から始まったという読み語り。最初は東陽小学校の授業の合間(中休み)に希望する児童が集まって聞いていたものが他の学校にも広まって、旭小学校からは各クラスに入って読み語りを行ってほしいという依頼を受け、現在では全ての小学校で月に1回、各学級に入って読み語りが行われています。

3.大切にしていること
「読み聞かせの上手、下手ではなく、心のこもった読み聞かせが一番伝わると思って活動している」と小川さん。「本には、作者の「命」が吹き込まれています。便利な世の中になり、スマートフォンやインターネットからでも手軽に本を読めますが、本のページをめくる時、そして言葉と言葉の「間」を感じられる。読み語りに触れることが、聞く力が育つ要因の1つになると思います。その意味でも耳と目から情報が入ってくる読み聞かせは自分が読むのとはまた違う魅力があります」。学校で読んだ本が子どもたちに喜んでもらえた時に手ごたえを感じると話し、「『がらがらどん』が学校に来たことを喜ぶ声や、読み終わった後の感謝の声がうれしい」と、活動の積み重ねがあるからこそのエピソードも紹介してくれました。
同じ本でも、読む人によって印象が全く異なる読み聞かせ。本が伝えるメッセージ、子どもたちの心が動く瞬間を大切にしながら、サークルの皆様は子どもたちの情緒豊かな成長を願い、心のこもった読み語りを、これからも届けてくれます。

4.これからの活動
サークルの皆様や図書館、学校の先生方のご協力を得ながら、今後も活動を続けていきたいです。他にも出前公演をいくつかいただいており、大変ありがたく思っています。デジタルは便利ですし否定しませんが、アナログにはアナログの良さがあります。読み語りをとおして、クラス全体で共有する絵本の醍醐味を皆様とともに味わっていきたいです。楽しく活動していますので、絵本好きの方にはぜひ参加してほしいと願っています。

問合せ:
・代表 小川【電話】72-2158
・図書館【電話】73-3106