- 発行日 :
- 自治体名 : 青森県大鰐町
- 広報紙名 : 広報おおわに 令和7年(2025年)11月号
■Vol.5 事業承継を全力応援!!(3)
21あおもり産業総合支援センター(青森市)では、県内の中小企業者の皆様の創業、売上拡大、経営改善、事業承継など、経営に関する様々な相談に応じています。
今回は、「事業承継の支援事例」について紹介します!
○りんごで最高のスイーツを
今年7月1日、弘前市内で有名アップルパイを製造する2社の間で事業引継ぎが成立しました。
昭和63年創業の老舗洋菓子店ノエルは地元客や観光客から大人気のアップルパイで有名なお店ですが、代表の成田さんは72歳。お客様のためにこのアップルパイを残したいと考えていましたが、後継者がいないことから青森県事業承継・引継ぎ支援センターへ相談に来ました。
一方、大規模りんご栽培に加え、ジュース、ジャム、ワイン、シードル、アップルパイなど、りんご加工品の製造を手掛けるタムラファーム株式会社の田村会長は、さらなる事業展開を目指し、りんご関連企業の譲受を希望しセンターへ相談に来ました。
センターが仲介し、成田さんと田村会長の数回の面談を経て、タムラファーム関連会社の株式会社田村商事がノエルを引継ぐことが決定しました。
○第三者承継のメリット
ノエルの成田さんはお店を廃業させることなく、多くのファンを持つアップルパイの味を残すことができました。
さらに、成田さんはアップルパイの原料の確保に悩んでいましたが、今後はタムラファームの栽培するりんごが原料として安定供給されることになり、これまでは手掛けることができなかった酸味の強い紅玉など20種類のりんごでアップルパイづくりができることになりました。
また、田村会長は、ベテランパティシエ成田さんの技術や商品開発の指導を受けることで、これまで以上のスイーツをつくることが可能となり、今後さらなる事業展開を進めることになりました。
そのほかにも、双方の販売店でお互いの商品を扱うことも可能となり、資材の共同受注、商品の共同配送など、多くの面でコストダウンと販売促進につながる相乗効果が見込まれています。
田村会長のコメント「成田さんとは思いがひとつ。夢は大きく、日本一のアップルパイを。」
このように第三者承継は、双方にメリットをもたらすWin-Win(ウィンウィン)の関係をつくり、それまで以上に双方が発展する可能性を秘めているということです。
当センターはこのような第三者承継のお手伝いをすべて無料で行っています。
後継者不在のお悩みを抱えている方はぜひお気軽に当センターにご相談ください。
お問合せ:青森県事業承継・引継ぎ支援センター
【電話】017-723-1040
