健康 大間病院だより

■健康診断 貧血 について
内科医長 堀切 海都

みなさんこんにちは。大間病院の堀切です。
肌寒い季節となってきましたが、元気にお過ごしでしょうか。
さて、そろそろ今年度に受けた健診などの結果が、お手元に届いている時期かと思います。健診ではコレステロールや血糖、血圧などの生活習慣病関連の項目が特に気になると思いますが、意外とそれ以外の項目にもきちんとした意味があります。今回はその項目の一つである「ヘモグロビン」について解説していきます。
「ヘモグロビン」の項目で低値となると、「貧血」という診断になります。貧血になると、めまいやふらつきなどが出現することがあります。具体的な基準値については健診種別によって微妙に異なりますが、医師は数値が10を下回る場合や急速に低下してきている場合に、治療対象と考えることが多いです。
貧血が起こる原因としては、皆さんご存知のとおり、鉄が足りないことがあげられます。他にも腎臓が悪い場合に起こるものや、ビタミンB12、葉酸などの栄養が足りないときに起こることもあります。これらの場合は、足りないものを投薬により補充すれば改善する可能性があります。また、それ以外の原因として胃や大腸、子宮からの出血による貧血の可能性があります。例えば胃がんがあったときには、そこから血液が出続けることで貧血となってしまいます。胃や大腸からの出血であれば便が赤や黒になったりします。子宮からの出血であればおりものがたくさん出たりします。
検査結果や問診から出血が疑われるときには、CT検査や胃カメラ、大腸カメラを行います。特に胃カメラと大腸カメラは病気がないか、直接観察できる検査ですので、非常に病気の検出率が高い検査です。このように自覚症状のない段階から、治療介入することで、病気の早期発見、早期治療につながり、結果的にいろいろな面で負担が少なくなることもあります。
ヘモグロビン以外でも、もし健診でひっかかってしまった項目があれば、なるべく早いタイミングで病院を受診してください。一緒に治療について相談していきましょう。
それでは、貧血にならないよう健康には十分気を付けて、楽しい毎日を過ごしましょう。