スポーツ 軽米の輝き人 vol.56

■区間新記録で鮮烈な走り
東北福祉大学3年生
佐々木 菜月
SASAKI NAZUKI

東北福祉大学3年の佐々木菜月さん(軽米高卒)が、10月26日に宮城県仙台市で開催された第43回全日本大学女子駅伝対校選手権大会の3区で区間新記録を樹立した。これまでの区間記録を31秒も上回る快走で、チームを一気に上位へ押し上げた。「嬉しさよりも驚きの方が大きかった」と振り返るが、その裏には積み重ねてきた努力と確かな成長があった。
10月初めは体のキレやスピードが戻らず不安も抱えていたが、少しずつ練習で刺激が入り、本番では「かなりコンディションが良かった」と語る。雨模様の中、想定よりも前の順位で襷を受け取り、不安6割・楽しみ4割という心境でスタートした。最初の緩い登り坂、続く高架橋のアップダウンと、3区は難易度が高い準エース区間と言われている。前半と後半をつなぐ重要な役割を担う中で、佐々木さんはラップを確認する余裕さえ感じていた。「計算していたペースを上回って走れていたので、初めて“いけるかもしれない”と思った」という。
普段の練習では、走る前の腹筋トレーニングで“体の軸”をつくること、入念なアップで怪我を防ぐことを大切にしている。また、「東北でも全国と戦えることを証明したい!」という強い思いが日々の努力の原動力になっている。
今後は5000メートルでの15分台、初挑戦となる10000メートルの標準記録突破、そして将来はクイーンズ(全日本実業団女子)駅伝で“ゲームチェンジャー”となる走りを目指す。「誰よりも謙虚に、誰よりも努力し、誰からも尊敬されるランナーになりたい」。その言葉からは、次なる飛躍を誓う強い意志がにじんでいた。