- 発行日 :
- 自治体名 : 岩手県軽米町
- 広報紙名 : 広報かるまい 令和7年5月号(no.794)
■畑澤清隆 HATASAWA KIYOTAKA・畑澤めぐみ HATASAWA MEGUMI
軽米町でりんご農家を営む畑澤清隆(きよたか)さんとめぐみさん(長倉)夫妻。約20年にわたり自然に寄り添う栽培を続けてきた。最初の数年は経営が厳しく、農薬代もままならない状況だったが、「良いりんごを作らなければ意味がない」との思いを胸に奮起し、地道に努力を重ねてきた。
現在は、約3ヘクタールの広大な園地で約20品種のりんごを栽培している。除草剤や化学肥料を使わず、土本来の力を活かした手法を貫き、手間を惜しまぬ丁寧な栽培が特徴。その品質は高く評価され、令和6年度カシオペアりんごコンテストで二人そろって金賞を受賞。清隆さんが「全国農業協同組合連合会岩手県本部長賞」を、めぐみさんが「いわて農林水産振興協議会長賞」を受賞した。同コンテストで最高の金賞を受賞したのは、3度目である。
販路の多くは口コミや紹介によるもので、町内外から多くの注文が集まる。多くの顧客がその味と香りに魅了され、「他では味わえない」と高い支持を受けている。「売り込まなくても、美味しさで広がっていくのが理想」と語る清隆さん。栽培から販売まで夫婦二人三脚で取り組み、地域の保育園への食育活動にも力を入れている。
将来的には法人化を目指し、安定した雇用環境の整備にも取り組みたいという。「農業を通して、食卓に笑顔を届けたい」。温暖化や流通の変化に翻弄されつつも、信念をもってりんご作りに取り組む姿勢が多くのファンの心をつかんでいる。